トップは「S&P500」、日本株の積立投資人気が急浮上=ネット証券の投信積立契約件数ランキング24年4月
大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次)2024年4月のトップは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、前月トップの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は2位に後退した。「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がトップになるのは23年12月以来4カ月ぶりのこと。そして、ランキングには第3位になった「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」をはじめ、日本株式を投資対象にしたファンドが大きく順位を上げている。投信の積立契約は、一定期間の積立投資を前提にした投資方法であるため、多くの投資家が日本株について中長期的に強気の見方をし始めているのだろう。
ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。
日本株ファンドでランキングに入ったのは、第3位の「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」と、第4位の「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」、そして、第7位に「SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」、また、10位の「ひふみプラス」と「日経平均高配当利回り株ファンド」の5本だ。上位10本の半数を日本株ファンドが占めている。10位に食い込んだ「ひふみプラス」と「日経平均高配当利回り株ファンド」の2本は、前月はトップ10圏外だったファンドであり、5本のうち4本は、前月よりも順位を大きく上げている。
日本株については、「TOPIX(東証株価指数)」と「日経平均株価」という代表的な株式インデックスに連動する2本が上位に入ったことは順当だろう。また、「ひふみプラス」は、アクティブファンドながらETFの除く日本株ファンドで残高が最も大きなファンドであることから、「代表的な日本株ファンド」として選ばれているのだろう。そして、ランキングに入ったファンド5本のうち2本が「配当利回りが高い株式」を中心に投資するファンドだった。これらは比較的株価下落にも抵抗力のあるファンドといえ、やや慎重なスタンスもみてとれる。ただ、高配当株は「日経平均高配当利回り株ファンド」の過去1年間のトータルリターンは54.64%と米「S&P500」よりも優れた成績を残しているため、高配当株の下値抵抗力よりも足元のパフォーマンスを評価した動きなのかもしれない。