クロワッサン「進化形」続々誕生…たこ焼き包み・ぺったんこ・クッキー載せ・モチモチのびーる
ヨーロッパで生まれ、日本でも愛されているクロワッサン。見た目や味にアレンジを加えた「進化形」が続々と誕生している。(鶴田明子) 【写真】ぺったんこに焼き上げたクルンジ
パンの流行をリサーチ
福岡県大牟田市のパン店「どんぐりの樹」では、ぺったんこに潰し、砂糖でパリパリにコーティングした「クルンジ」(237円)を販売。クルンジは韓国で若者を中心に人気で、韓国語でおこげを指す「ヌルンジ」とクロワッサンをかけて名付けられている。
商品開発を担当する猿渡志奈さん(46)は、同店に20年勤務し、インスタグラムなどでパンの流行をリサーチ。韓国でクルンジが話題になっていることを知り、「地域のお客さんに新しい物を提供したい」と提案した。
生地を潰し、砂糖をたっぷりつけて鉄板を載せ、オーブンにかける。猿渡さんは「発酵させたきれいな生地を潰すのに最初は胸が痛んだけど、今ではお店の人気商品。歯ごたえを楽しんで」と笑顔を見せた。
10月中旬にオープンした福岡市博多区の、犬を同伴できる「LeChien Cafe(ルシアンカフェ)」でも、フランス生まれとされ、韓国ではやっている「クロッキー」が看板メニューだ。
クロワッサンの上に、プレーンとココア味で作った犬の形のクッキーを載せ、一つ一つ表情を変えている。
事業責任者の野田悠里菜さん(26)は「しっとりしたクッキーとさくさくクロワッサンが重なって新感覚。牛乳につけてもおいしいです」と薦める。アイス付きで700円。
店主の好物から発案
同市東区の「手造りクロワッサン専門店ラパン」では、粉物が好物という店主の日小田和彦さん(52)が、「たこ焼きクロワッサン」(324円)を発案。店で焼いたたこ焼きをクロワッサン生地で丸く包み、ソースとかつおぶしをかけている。
直径10センチ程度で、「たこ焼きがそのまま大きくなった感じにできた」と日小田さん。元々はパティシエで、2015年に好きだったクロワッサンの専門店をオープンし、毎日20種ほどを焼き上げる。「これからもクロワッサンの概念を覆すようなものを作りたい」と意気込む。