「池袋からわずか3駅」「アーケード商店街が魅力的!」…。板橋区・大山は住むと“ちょっといい街”だ
さっそく入ってみる。カウンター席が10人分。6人がけのテーブルがひとつに、4人がけのテーブルが4つの店内だ。ひといきついてから、クリームあんみつ(750円税込み)をオーダーした。 ■この地で40年以上、商売を続けている喫茶店 待っている間にタバコを1本吸う。店には「タバコは3️本まで」という独自ルールがあるので、緊張の一服だ。聞くとコロナの時期に、混雑を緩和するために作ったルールらしい。タバコを吸わない客からは好評で、今も続けているようだ。
運ばれてきたクリームあんみつは、バナナ、マスカット、柑橘系とフルーツの量が期待以上で幸福感が上昇する。それらの味を損なわない程度に黒蜜を回しかける。この塩梅が極めて重要だ。少し疲れているので、若干多めに使わせてもらった。 店主の高屋真一さんは御年73歳(取材時)。この地で40年以上、商売を続けている。屋号の「能舞台」は、「ゆっくりできる雰囲気の店作りをしたい」との思いからつけたらしい。大山の魅力について尋ねると、
「やっぱりね、病院が多いことが嬉しいね。長く商売を続けていると、いろんなことがあるでしょ。店の前で具合が悪くなった人がいたりして、これまで4回くらい救急車を呼んだことがある。いつも、ものの数分で到着しますよ。他の場所じゃこうはいかないでしょ」(高屋さん) 地元の常連さんに愛される店だが、切り盛りは難しい。 「昔はここらへんは物価が安いって言われたんだけど、今じゃそんなことなくてね。なんでもかんでも高くなってる。これまで頑張ってきたけど、この10月からブレンドコーヒーの値段を430円から500円に値上げしました。お客さんも納得してくれてるみたいで、客足が遠のくということはないようですね」(高屋さん)
また、治安がいいのも大山の魅力なのだそうだ。「住んでいる人が皆優しいんだよ。店で救急車を呼んだときだって、お客さんが総出で手伝ってくれた」と高屋さん。 ■24時間営業の本屋まである商店街 能舞台を出て、さらに散策を続ける。アーケード街の中程に、面白い店を見つけた。24時間営業の本屋だ。どうやら現状は「実証実験中」らしい。 書籍の取り次ぎ大手、株式会社トーハンと、デジテール ストア(旧称:MUJIN書店)を運営する株式会社Nebraskaの協業で始まった取り組みだ。デジテール ストアの実証実験第3号店「メディアライン大山店」(板橋区大山町4-4)として2024年3月15日から24時間営業をスタートしたという。