女子ゴルフ・上田桃子、サポーター待つ18番グリーンに「『ああ、最後か…』って」 出場選手が桃子Tシャツでセレモニー
◇15日 女子ゴルフ 大王製紙エリエールレディスオープン第2日(松山市、エリエールGC松山) 2007年の賞金女王で日米通算17勝の上田桃子(38)=ZOZO=は70で回ったが、予選通過はならず、20年間のツアープロ生活に終止符を打った。プレー後セレモニーが行われ、多くの選手、関係者がこれまでの功労をねぎらった。 上田がプロゴルファー人生で選択した、区切りの時がやってきた。ラストホール。サポーター達が力いっぱいにかざした「桃ちゃんお疲れさま。ありがとう」のタオルに囲まれ、「18番グリーンに上がる時は『ああ、最後か…』って気持ちでした」と振り返ると、堪えていた涙が頬を流れた。 最終ホールは5メートルのバーディーパットで2メートルオーバー。「入れてやるぞという気持ちだけで…」。結局、3パットボギーの幕切れだったが、上田らしい攻めの姿勢を周囲の目に、胸に焼きつけた。さわやかにグリーンを降りると、キャップをとって手を振り、感謝の気持ちを伝え続けた。
スコア提出後は出場選手の多くが待ち構え、桃子Tシャツを身に着け、大きな花束とたくさんのサンキューレターを手渡すセレモニー。「あんなにたくさんの選手が待っていてくれるなんて、本当にビックリしたし、うれしかった」。かつて賞金女王争いした横峯さくらも、上田に憧れてプロになった河本結も、小祝さくらも竹田麗央も山下美夢有も…。選手たちの笑顔と涙でクラブハウス前はグシャグシャだった。 「20年間で誇れるのは精いっぱいうまくなろう、強くなろうと、毎日思ってきたこと。最後までなれなかったけど、試合に出なくなってもうまくなりたい」。今後何をするかはまだ何も決めていない。でも人として女性として、意欲はあふれている。360度への感謝を、次の道のスタートラインにする。
中日スポーツ