<ここに注目>強力打者ぞろいの智弁学園と大阪桐蔭 エース勝負に 選抜高校野球
◇第4日第2試合 智弁学園vs大阪桐蔭 優勝候補同士による1回戦屈指の好カードだ。2020年秋の近畿大会決勝では、初回に2点を先取した智弁学園が7―3で勝利。打線はともに充実するだけに、大阪桐蔭・松浦慶斗(3年)、智弁学園・西村王雅(3年)の両左腕エースの出来が勝敗を左右する。 【写真】センバツ応援ポスターに小泉のんさん 松浦は身長185センチから角度のある最速150キロの直球が武器。昨秋の1試合平均与四死球率は1.50と制球力は安定しているだけに、スプリットやツーシームなどの変化球も低めに丁寧に集めていきたい。 西村は1年夏に続き、中京大中京(愛知)と対戦した昨夏の甲子園交流試合でも登板し、大舞台のマウンド経験は豊富。試合の中でも調子のムラが激しいのは気がかりだが、勝ち気な性格だけに、強気に内角を突いて相手の強打を封じたい。 攻撃陣はともに先取点を奪うことが理想だ。昨秋1試合平均10.45得点と出場校中2位の得点力を誇る大阪桐蔭は3番・宮下隼輔、4番・池田陵真(ともに3年)、智弁学園は大阪桐蔭戦でともに本塁打を放った3番・前川右京、4番・山下陽輔(ともに3年)が中心。両チームともクリーンアップを軸に勝負強い打者がそろうだけに、両左腕の立ち上がりを一気に攻めたい。【藤田健志】
智弁学園 左腕・西村王雅「夏2勝の父超えたい」
2020年秋は近畿大会決勝で大阪桐蔭に快勝し、9年ぶり2回目の優勝を果たした。投打ともに総合力は高い。 投手陣の柱は左腕・西村王雅(3年)。130キロ後半の直球とスライダー、チェンジアップなどで打たせて取る。父の基治さんは平安(現龍谷大平安=京都)で1990年夏の甲子園で2勝。「父を超えたい」と意気込む。右腕・小畠一心(3年)も最速145キロの直球やツーシームを投げ、完投能力がある。 攻撃は各打者がフルスイングし、破壊力満点だ。3番・前川右京(3年)は大会屈指の左の強打者で、打球を遠くに飛ばす力は群を抜く。4番・山下陽輔(同)は長打力とミート力があり、勝負どころでの打撃が光る。5番・三垣飛馬(同)も昨秋公式戦でチームトップの11打点を挙げた。打率5割を残した竹村日向(同)も健在で、切れ目がない。 主将の山下は「チームができてから日本一を目指してやってきた」と、2016年以来となる春の頂点を狙う。【安田光高】