気象データは「宝の山」か(上) 「未来予測」活用に動く民間企業
「気象データは次の一手に必要不可欠」
それでは、気象データをどのように活用しようとしているのだろうか? 「コンビニエンスストアは我々とは逆に、晴れの日は売上が上がり、雨の日に売上が落ちるという傾向があることが、気象庁の調査結果で明らかになっています。そういったところと提携し、それぞれ天気に応じた割引サービスを実施したりすることで、相乗効果を図るといったことも考えています。コインランドリーはいったん機械を動かすと、30分~1時間の空き時間ができるわけですから、その間に提携したコンビニカフェの割引券などを出せば、雨の日のコンビニの売上アップにつながるかもしれない。また、反対に晴れの日にコンビニでコインランドリーの割引券を出せば、コインランドリーの稼働率を上げることにつながるかもしれません」。 高梨さんはこう説明したうえで、「スマートランドリーでさまざまなデータを蓄積し、それを事業に生かすというコインランドリー事業の新たなプラットフォームを考えた時、気象データは次の一手のために必要不可欠なものになるはずです」と語る。
気象庁の姿勢は?
一口に気象データ活用といっても、どのように事業のシステムや自社のサービスに気象データを組み込むのか、について、紹介した2社のように方向性がはっきりしているところはまだまだ限られている。何となく興味はあっても、そもそも、どのようなデータがあるのか、どうすればほしいデータを入手できるのか、などがよくわからないという企業も少なくないだろう。 このような気象データの出元となるのは、言わずと知れた気象庁だ。次回は、気象データ活用の取り組みに対する気象庁の姿勢についてスポットをあててみたい。