20代の息子が「一生役職にはつきたくない」と言っています。平社員のままでも年収は上がるのでしょうか?
かつては会社員であれば出世を目指すことが当たり前でしたが、近年では役職につきたくない若者が増えているようです。20代の息子が昇進に消極的で、ずっと平社員のままでよいと考えているなら、親や周りは心配するかもしれません。 そこで今回は、平社員のままでも年収は上がるのかや、役職についた場合との差を比較してみました。20代で役職につきたくない人の割合や、昇進を断り続けることのリスクについてもご紹介しますので、参考にしてみてください。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
ずっと平社員のままだとどれくらい年収は上がる?
会社にもよりますが、定期昇給がある場合は、平社員のままでも年齢や勤続年数によってある程度は年収が上がると期待できます。昇進を断って平社員のままでいると、どのくらい年収は上がるのでしょうか? 個々の年収は会社やその人によって差が出ますが、年齢別の平均年収を目安にできます。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると「非役職」の年齢別平均年収は以下の通りです。 ・20~24歳:343万7400円 ・25~29歳:423万3600円 ・30~34歳:464万9600円 ・35~39歳:491万5200円 ・40~44歳:505万500円 ・45~49歳:507万5900円 ・50~54歳:522万200円 ・55~59歳:528万1400円 同調査から、一般的には年齢とともに年収も少しずつ上がっていくことが分かります。
課長に昇進した場合の平均年収の差は?
平社員のままでも年収は上がっていくと想定しても、昇進した場合と比較するとどうなのか気になる方もいるでしょう。 ここでは、同じく厚生労働省の調査を参考に、一例として課長に昇進した場合の年齢別平均年収と非役職との差(カッコ内)を以下にまとめます。 ・20~24歳:565万4600円(221万7200円) ・25~29歳:572万8300円(149万4700円) ・30~34歳:629万8200円(164万8600円) ・35~39歳:749万7400円(258万2200円) ・40~44歳:790万9800円(285万9300円) ・45~49歳:807万6700円(300万800円) ・50~54歳:826万9000円(304万8800円) ・55~59歳:839万1100円(310万9700円) 同調査から、課長クラスに昇進することで、平社員と比較して年齢別の年収は149万4700円~310万9700円も多いことが分かります。若い頃の年収は平社員の同期と変わらなくても、周りが昇進するようになると同年代との年収に大きな差が出てくることが考えられます。