20代の息子が「一生役職にはつきたくない」と言っています。平社員のままでも年収は上がるのでしょうか?
20代で役職につきたくない人の割合と理由
内閣府男女共同参画局が実施した調査によると、20代の時点で「いずれは管理職につきたいと思っていた・いる」に対する男性の回答は以下の通りです。 ・当てはまる:15.6% ・どちらかといえば当てはまる:28.2% ・どちらかといえば当てはまらない:26.5% ・当てはまらない:29.8% 同調査から、20代の頃から仕事での昇進に消極的な人は56.3%と半数以上いることが分かります。役職につきたくない理由としては、以下のようなことが考えられます。 ・責任が増えて負担になる ・仕事が増えて自分の時間が減ってしまう ・自分のやりたい仕事ができなくなる ・家事や育児との両立が難しくなる
昇進を断り続けることにリスクはある?
役職につきたくない理由はさまざまですが、安易に断ることにはリスクもあるため注意が必要です。まず、昇進を前提として雇われている可能性があります。 例えば総合職の場合、将来の幹部候補として期待されているかもしれません。就業規則に昇進に関することが明記されている場合もあるようです。会社には人事について一定の裁量権があり、これには昇進も含まれます。 まず昇進を打診してから辞令を発することが一般的ですが、正当な理由がないのに断ると、業務命令違反として懲戒処分が下される可能性があります。育児・介護・健康上の理由など、正当な理由がある場合は、会社に相談すれば配慮してもらえるでしょう。 ほかにも、会社によっては実力や能力を評価して給料を決めることもあり、昇進を断る社員は評価が得られずに年齢を重ねても年収が上がりにくいケースが考えられます。 昇給しないことで仕事に対するモチベーションが下がったり、周囲からの評価が厳しくなって会社にいづらくなったりする場合もあるようです。 昇進を断る場合は思いつきで決めるのではなく、就業規則を確認して、上司と相談するなどして慎重に決定するとよいでしょう。
平社員のままでも年収は少しずつ上がる可能性あり……役職者と比較すると大きな差がつくことも!
年齢別の平均年収を見ると、会社にもよりますが、平社員のままでも少しずつ年収は上がっていくことが分かりました。 しかし課長クラスと比較すると、年齢別に149万4700円~310万9700円の差が出る可能性があります。 役職につきたくない理由はさまざまですが、昇進を前提として雇われていて、その旨が就業規則に明記されている場合もあるため注意が必要です。正当な理由なく昇進を断ると、場合によっては業務命令違反として懲戒処分が下される可能性もあります。 20代の息子が「役職につきたくない」と言う場合は、打診を安易に断るのではなく、将来起こり得る同年代との年収差や会社の意向も考慮しつつ、慎重に決定するようアドバイスしてもよいでしょう。 出典 厚生労働省 政府統計の総合窓口e-Stat 賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査 表番号1 役職、学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 産業計 内閣府 男女共同参画局 令和4年度 新しいライフスタイル、新しい働き方を踏まえた男女共同参画推進に関する調査報告書 第2章 調査結果 (9)「仕事での昇進」20代時点での考え方(全体、初職の雇用形態別)(43ページ) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部