トランプ再選で起きる「NYダウ暴落」に備えよ!新大統領誕生のあとに「株式市場」で起きる悪夢のシナリオ
トランプ再選で「株価は暴落」も
アメリカ大統領選が11月5日に迫っているが、筆者はトランプが再選された場合、NYダウが暴落する可能性があると考えている。 【写真】大胆ショットに全米騒然…トランプ前大統領の「娘の美貌」がヤバすぎる! 前編『激戦の米大統領選、トランプ復活かハリスの逆襲か…どっちにしても「日本企業」に襲い掛かる「増税」のヤバすぎる真実』で紹介したように、ハリスが大統領に当選すれば、株式市場にクリーンエネルギー関連や不動産・住宅関連の追い風をもたらすことだろう。しかし、トランプが再選すれば、マーケットの警戒感は高まることになるだろう。 目下、トランプもハリスも決め手を欠いており、激戦は必至だが、本稿ではトランプが当選した場合の、米国株の行方を中心に今後の経済状況を占って行こう。
矛盾だらけのトランプ政策で「インフレ拡大」へ
トランプの基本政策は、インフレからの脱却だ。ところが、トランプの政策を吟味していくとほとんど無意味な掛け声に過ぎないことがわかる。 なぜなら、トランプの政策はインフレを増長させることはあっても、けっして終息させたりはしないからだ。 トランプは、「トランプ減税」について恒久化することを主張しており、さらに、残業代や社会保障給付金の課税廃止、自動車ローンの利息や州・地方税の税控除を提案している。 さらに、前回の大統領時代に実施した法人税率35%から21%への引き下げを一段と進め、15%まで引き下げるとしている。ただし、引き下げは国内生産を行っている一部の製造業に限定する方針だ。これは、トランプが打ち出す「アメリカ・ファースト」政策の一つでもある。 「アメリカ・ファースト」がもっとも強く打ちだされているのが通商政策だ。トランプは中国からの輸入品には一律60%、その他の国からの輸入品には最大で一律20%の追加関税を課すことを主張している。 エネルギー政策では、トランプは「石油を掘って、掘って、掘りまくれ」というスローガンを掲げているように、石油・ガス生産の推進を打ち出しており、特に国内生産への優遇を進める方針だ。 これらの点を踏まえると、トランプの政策は石油・ガス関連や一部の国内製造業にとって追い風となり、この分野の株価の上昇は期待できる。 ただし、最大の問題は、インフレからの脱却と物価の引き下げを打ち出しながらも、輸入課税を強化することだ。それは、物価の押し上げ要因となる。個人消費の減速要因となる可能性が大きいのではないか。 ましてや、大幅な減税を実施するとなれば、アメリカの財政赤字はさらに拡大する。このためトランプの政策はアメリカ経済を減速させ、株価の暴落を引き起こすのではないかと筆者は考えているのだ。 もちろん、大統領になったからといって直ちにすべての政策が実施できるわけではないので、そこは調整されていくのかもしれない。しかし、少なくとも財政赤字が拡大すれば長期金利が上昇し、景気が低迷する要因となることは踏まえておいた方がよいだろう。