日野チームスガワラ・菅原照仁「クルマは完成形の域。順調です」狙うはトップ5【ダカールラリー・車検第1日】
◇第47回ダカールラリー 車検第1日 1日 ビシャ(サウジアラビア) ペン=田村 尚之 カメラ=多賀まりお トラック部門を戦う日野チームスガワラ(600シリーズ)が車検に登場。欧州での事前審査を受けておらず、一部の部品が再審査になったものの、おおむね順調に終えた。昨年は部門6位の快進撃。チーム代表を兼務するドライバーの菅原照仁(52)は「昨年以上の結果を狙いたい。目標はトップ5入り」と宣言した。 車検官が競技車600シリーズの細部を丁寧にのぞき込む。欧州から運ばれて予備検査を終えている多くの車両と異なり、日本から輸送した日野チームスガワラは今回が初めての検査。時間はかかったものの、問題になったのはささいな部品のみで、まずまずの滑り出しとなった。 チームを率いる菅原は「よくあること。解釈が微妙に違っただけ。対策したものを持っていけばいい」。メカニック時代を含め26回目の挑戦を迎えるベテランに、慌てるそぶりはまるでない。 共同プロジェクトを組む日野自動車の経営状況が厳しくなり、今大会は十分な支援を受けられなくなった。そんな苦境にも、長く良好な関係を築いていた協賛企業が救いの手を伸ばしてくれ、日野の販売会社も全国の7~8割が支援を申し出てくれたという。菅原は「支えていただいた皆さまには本当に感謝している」とこうべを垂れた。 車両は昨年モデルの弱点をつぶした熟成版。前回大会で課題になった燃料系統の対策を中心に各部を見直し、エンジン出力も800馬力から16馬力を上積みした。先月20~21日にはサウジアラビアの国内ラリーに出場し、連日200キロ以上の競技区間を走って仕上がりを確認。「クルマは完成形の域。順調です」と大きな手応えを得た。
昨年は競技中にトラブルから副変速機の使用を強いられたが、結果的にそれがいい走りにつながり、後半戦のポジションアップに役立った。最高速が伸びないデメリットはあるものの、トラック部門の最高速度が時速135キロに引き下げられたため、メリットがより大きくなった。 「今年は初めから副変速機を活用でき、トラブル対策もしっかりしてきた。前半戦を大事に切り抜けたい」。第2ステージ「48時間クロノ」や第4&5ステージのマラソン区間を勝負所と見据え、上位進出への活路を見いだす。「昨年以上の結果を残したい。トップ5を-」。菅原の口調が一段と力強くなった。
中日スポーツ