全面ブラッシュアップされたVW新型「T-Cross」に乗ったら驚愕! 走りの進化ぶりはマイチェンの範疇を超えていました
まるでセグメントがワンランクアップしたかのような感覚
先に言明しておきたいのだが、筆者は昨2023年春までVW「Up!」を愛用していたこともあって、ベーシックにして質実剛健な実用車としてのVWには、かなりの好感を抱いているひとりである。それでも、T-Crossが日本に上陸した2020年末に初めて走らせた際には、いささかの不満を覚えないわけでもなかった。 しかし、あれから3年9カ月の時を経て再びステアリングを握ったマイナーチェンジ版のT-Crossは、筆者の記憶の曖昧さを差し引いても、あらゆる面において格段のブラッシュアップが施されているように感じられた。 まずはエクステリア。今回の試乗車両が、最上級&スポーティ版にあたるTSI Rラインだったせいもあってか、車体の周囲をグルっと回って観察してみると、フロントとリアに「シュッとした」感が強まった。 とくに、デザイン上のモチーフとなった姉貴分のT-Rocよりも親しみを持てる、あくまで筆者の個人的感想ながら、ちょっとだけ野暮ったい印象が無きにしも非ずだったマスクは、この改良版では格段にスマートになったかに映る。 そして、相変わらずのシッカリ感のあるドアを開いてシートに腰を降ろすと、「プラスチッキー」と評されていた従来型から格段に質感を向上させたというインテリアに、まるでセグメントがワンランクアップしたかのような感覚を覚えた。
走りの質感やクオリティが大幅に進化
しかし、新型T-Crossでもっとも特筆すべきは、走りの面での進化である。 1.0 TSIエンジンはスペックの面では不変ながら、ミラーサイクルとされたことで低・中速トルクが増したのか、トルクの立ち上がりがスムーズで静か。遮音も見直されたのか、従来型よりも明らかに静粛性が増しているように感じられる。 またサスペンションも大きな変更はないとのことながら、従来型では道路の不整をそのまま車体の動きに反映してしまっていたのに対して、この改良版では215/45R18というボディサイズや排気量のわりには太いタイヤを履いた「Rライン」であっても、路面の凹凸をコツコツと拾うくらいで、従来型で感じられた強めの突き上げなどは大幅に減少されている。つまりは、通常のマイナーチェンジの範疇を大きく超えた、ドラスティックな進化を遂げていることが確認できたのだ。
【関連記事】
- 【画像】内装の質感アップにも注目! 全面的に進化したVW「T-Cross」を見る(24枚)
- ■ さよならフィアット「500」…Z世代ライターが初体験…「マルゲリータみたいなクルマ」は新車で買うなら今がラストチャンスです
- ■ ポルシェ「マカン」に迫るVW「T-Roc R」登場! 300馬力の「R」と150馬力の「TSI Style」を乗り比べた結果は?
- ■ 秋発売のスズキ「フロンクス」は走りにちょっと上級感!? 辛口モータージャーナリストがホンダ「WR-V」と乗り比べてみました
- ■ フィアット初代「パンダ4×4」をさらにオフロード色強めにカスタム! カッコ可愛くモディファイされた1台の正体とは?【旧車ソムリエ】