京都・祇園で味わう「カラシソバ」は、つんとした辛子の香りがたまらない!3段階から選べる辛さのどれをチャレンジする?
〈これが推し麺!〉
ラーメン、そば、うどん、焼きそば、パスタ、ビーフン、冷麺など、日本人は麺類が大好き! そんな麺類の中から、「これぞ!」というお気に入りの“推し麺”をご紹介。そのこだわりの材料や作り方、深い味わいの秘密に迫る。 今回訪れたのは、食べロググルメ著名人・門上武司さんが教えてくれた京都・祇園にある「平安」。辛子の辛みと香りを満喫できる麺「カラシソバ」を紹介する。
教えてくれる人|門上武司
1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。
カラシソバの名店
京阪本線祇園四条駅から徒歩5分程度。四条通北側の祗園エリアの雑居ビルに「平安」はある。店は現在の場所になって21年目。店主の元木登さんは、御年なんと81歳ながら、元気に中華鍋を振り続けている。
海老チリや海老天ぷらなどアラカルトの料理が揃うなか、名物はカラシソバ。カラシソバとは京都の鳳舞系と呼ばれる店に受け継がれる麺料理だ。鳳舞系とはかつて京都にあった広東料理店「鳳舞」に縁のある店のことで、京都らしい出汁をきかせた薄味の中国料理を供してきた。酢で溶いた辛子を茹でた麺に和え、野菜たっぷりのあんをかけたメニューがカラシソバだ。
門上さん「京都は「カラシソバ」という京中華の献立があり、それを求めてうかがいました。カラシソバの真髄を知りました。」
元木さんも鳳舞系の「第一樓」で修業を積んだ。カラシソバも学んだが、オリジナルへ進化させ他とは違う丼スタイル。さらに「辛さを選べる」遊び心もプラスした。辛さは3段階で、ふつうにカラい「中学」、そこそこカラい「高校」、なるほどカラい「大学」を選べてユニーク。実は隠れメニュー「大学院」もあるとか。「高校を頼む人が多いかな。僕は実は辛いのあかんねん」と元木さんは笑う。