小兵軍団・東海大静岡翔洋が運動量と堅守で花園を勝ち進む…全国高校ラグビー大会27日開幕
第104回全国高校ラグビー大会(東大阪市花園ラグビー場など)が27日に開幕する。2年ぶり13度目の出場となる東海大静岡翔洋は、28日の1回戦で山形中央と対戦。大型選手も擁した前回と違い、今年は小柄な選手が多い。途切れない運動量と堅いディフェンスが持ち味で、22大会ぶりの3回戦進出を達成して“ラグビー強豪県”への足がかりにする。 今年度の翔洋を象徴する選手と言っていいだろう。花園に向けた同校グラウンドでの練習で、身長160センチのフランカー宮崎光大(3年)が様々な局面でプレーに絡んでいた。2歳年上の兄・快晴さんは前回出場時のフランカーで身長175センチ。「相手を見た時に自分たちが小さいと思うことはありますが、『勝てないな』と思うことはないです」と勢いよく言い切った。 11月の県大会決勝の相手は聖光学院。バックス陣のサイズは互角だったが、FW平均は翔洋の169センチ、81キロに対して宿敵は174センチ、89キロ。それでも後半終了間際にトライを奪うなど、10―0で完封勝ちした。 15人が60分間足を止めずに、相手のボールホルダーに対しては2人がかりでタックルして、体格差を補う。「しんどい状況でもいかに動き切れるか。強いチームと戦うのに大事な条件」と津高宏行監督(41)。自身も171センチと大きくはないが、大阪・啓光学園(現常翔啓光学園)で全国Vを経験し、ヤマハ発動機で7季プレーした。「オレでもトップリーグでやってこれたと話したことはあります」。選手には何よりのお手本だ。 花園に過去12度出場して8大会で初戦突破した。今回、山形中央を破れば、2回戦は関商工(岐阜)―倉吉東(鳥取)の勝者と対戦。6月の東海総体では関商工を33―7で下している。「花園出場が決まった時から『年越し』が目標でした。静岡のチャンピオンとして勝っていきたい」と共同主将のWTB鈴木利玖(3年)。02年度以来、同校2度目となる元日開催の3回戦進出へ士気は高まっている。 就任5年目の津高監督は「静岡のラグビーって昔は『不毛の地』と言われたこともありましたが、最近は変わってきている。全国の人にも戦いぶりを見てほしいです」と気持ちを込めた。そんな称号は過去の話。強豪にぶつかるまで、小兵軍団が快進撃を再現する。 (武田 泰淳)
報知新聞社