「関係書類が押収され…」 裏金事件の議員、報告書の収支「不明」
岐阜県選挙管理委員会は28日、県内の政治団体の2023年分の政治資金収支報告書を公表した。自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で、政治資金規正法違反の罪で在宅起訴され、自民党を離党した大野泰正参院議員=岐阜選挙区=が代表を務める自民党支部は、収支の総額をいずれも「不明」として提出した。 政治資金規正法は政治団体のすべての収支を収支報告書に記載することを義務づけている。 大野氏が代表の「自由民主党岐阜県参議院選挙区第三支部」は、政治資金に先立って9月に公表された23年分の政党交付金使途等報告書でも、すべての支出を「不明」と記載している。同支部には前年末までの残高と同年中の交付金1200万円を合わせた約1568万円の政党交付金があるが、使い道を確認できない状態となっている。 大野氏側は使途等報告書に「関係書類が押収されているため、使途等の内訳が不明であり記載できません。当該不明部分については明らかになった時点で訂正致します」と記載している。 現行の政治資金規正法は収支報告書の保存期間を報告書の要旨の公開から3年と定める。今後の裁判が長期化するなどして23年分の収支報告書が保存対象から外れると、政治資金の流れを国民が確認できなくなる可能性がある。
朝日新聞社