社会の時間に習った「貿易」。実際、日本では貿易によってどれだけの利益を出しているのですか?
日本の貿易が抱える問題
次に、日本の貿易産業が抱える問題について解説します。 ■産業の空洞化 産業の空洞化とは、国内の企業が海外拠点を重視しすぎて、国内の製造工場が極端に減ることを指します。産業の空洞化は雇用の減少を招き、失業率の増加や経済の萎縮を招くといわれています。 実際に、製品の海外生産比率は1989年以降上昇する傾向にあります。海外拠点で安く生産することは、消費者が安くて品質のよいものを買えるようになるため、悪いことだとは言い切れません。しかし、極端にその傾向が強くなると、産業の空洞化を招いてしまう恐れがあるのです。 ■貿易摩擦 貿易摩擦とは、国家間の輸出入のバランスが崩れて、外交問題や関税の強化などさまざまな問題が生じることです。基本的にすべての国は国家間で貿易摩擦が生じないよう、協定の締結や民間の自主規制といった対策を講じており、バランスを保つよう動いています。 近年では、2018年にアメリカが中国に対して25%の関税を適用し、互いに報復関税の引き上げを繰り返す「米中貿易摩擦」が発生しました。このように、貿易はデリケートな領域のため、摩擦が生じると国同士の問題にまで発展する可能性があります。
日本の貿易赤字は深刻化している
海外輸入の依存率が高い日本は、貿易の状況が一変すれば途端に大きな問題が生じます。現状は貿易赤字が直接的に生活へ影響していませんが、今後も続くとは限りません。貿易に対して知見を深めれば、国際情勢が見えてくるでしょう。 出典 財務省 報 道 発 表 令和4年度分貿易統計(速報)の概要 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部