史上最高齢でドラフト指名を狙う30歳右腕、最大の武器は「中日のエースから教わった」
「カーブが曲がらない!」メキシコでの苦い経験
高知FD3年目の前期リーグ戦を終えると、平間はメキシコリーグに挑戦する。そこでも思わぬ試練と対面する。 「メキシコリーグは気候の問題で変化球が曲がらなかったです。標高が高く打球が飛びやすい。それでいて変化球曲がらない。バッター有利のリーグでした」 平間は環境に適応しようと工夫を凝らす。 「対策としてスピード帯を変えたんです。110キロに満たないスローカーブ、120キロ程度の普通のカーブ、120キロ後半の高速カーブの3種類を使い分けるようにしました。腕の振りを変えるとバレることもあるので、リリースのポイントを球速が遅ければ遅いほど上に、速ければ速いほど前にします。同じ腕の振りでリリース位置をずらす事で変化を加えてみたんです」 結局、メキシコリーグで結果は残せず、高知FDに復帰した。それでも平間にとってはいい経験だったと振り返る。 「メキシコリーグの経験は今の投球に生きています。3種類のカーブをうまく使い分けられるようになり『平間と言えばカーブだよね』と言われるようになりました。相手打者が分かっていても点を取られなくなったので、ここまでいい成績残せていると感じています」 苦い経験も「今になってはいい経験」と平間は笑い飛ばした。現在でも自慢のカーブでNPBの打者を手玉に取るスタイルは変わらない。が、1軍の舞台に立つべく腕を振る右腕は、カーブにこだわらない投球にも自信を覗かせる。 「カーブ、カーブって言ってもらえるのはすごくありがたいですけど、僕の武器はカーブだけじゃないと思っています。“引き出しの多さ”っていうのがカギだと思います。ストレート、スライダー、フォークに、今年になってツーシームも覚えているので。そういった部分で向上心はありますね」 平間がNPBの一軍マウンドに上がる日はくるのか。