巨人大物OBがGT激震コーチ人事に緊急提言…「監督任せではなく勉強熱心で熱意のある優秀なコーチを集めよ!」
巨人はV争いの終盤に9戦連続で2得点以下に沈黙するなど苦しんだ打撃部門と投手をリードするバッテリー部門のコーチ陣のテコ入れが課題になるだろう。 阪神もファームの指導体制の見直しに手をつけた。今季はファームの日本記録となる18連勝をマークするなどの躍進で3年ぶり6度目のファーム日本一に輝いたが、結果とコーチの指導力とは、切り離して考えていたようで9人中5人の退団を発表した。 ただ山田コーチは日ハム、中村コーチは中日から来季の入閣要請があったようで、実質の整理対象となったのは、清水コーチ、平野コーチ、高橋健コーチの3人だ。 清水コーチは、2年前に中日時代の盟友でもある矢野監督から誘われ、2019年にヘッドコーチに就任したが、2年で“ダメ出し”をされ、今季は2軍野手総合コーチに“降格”されていた。阪神移籍時に結んだ任期が満了しての退団となった。 平野コーチ、高橋建コーチは、金本知憲前監督の就任と同時に2016年からコーチとして呼ばれた“チーム金本”のメンバー。金本前監督の退任後もチームに残っていたが、結局、その“金本色“も一掃されるということになった。 阪神では2軍のスタッフ選びや、指導方針についてはフロントが現場とコミュニケーションを密に取りフロント主導型のマネジメントが進んでいた。だが、今回、一部ではあるが、監督人脈に頼って集めたコーチ組閣の典型的な“歪“が出てしまった。 広岡氏も苦言を呈する。 「アメリカでは、現役時代の実績は関係なくコーチはファームで勉強を重ね、フロントが、その姿勢をしっかりと評価して良ければ上へ引き上げる。だが、日本では、そういうコーチを球団が育てるという体系が固まっていない。フロントがまず指導者としての素質を見極めた上でコーチ業を勉強させて育てていくことも重要。だが、監督のお友達を呼ぶようなコーチ人事をしているとコーチも育たない。今季の阪神が大事なところで打てず守れずで、ヤクルトの後塵を拝したのは監督、コーチの責任なのだ。来季のコーチ人事をどうするかは知らないが、フロントがしっかりとコーチの素質、すなわち勉強熱心、指導熱心でどう鍛えるかのビジョンも持った人物を選ばねばならないだろう」 阪神は1軍では打撃部門とリーグワーストの「86」のエラーを記録した守備部門のコーチの人事が焦点。2軍では広岡氏が指摘するようにコーチを育てるという観点にも立った若手の起用も必要だろう。巨人、阪神共にクライマックスシリーズの戦いが終わった後に1、2軍の来季の組閣が明らかになると見られている。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)