役員報酬額1億円以上の開示人数 日立製作所が制度開始以来、最多の34人
上場会社「役員報酬 1億円以上開示企業」調査
6月21日、プライム上場の(株)日立製作所が2024年3月期の有価証券報告書を公表した。開示された資料によると、同社の役員報酬額1億円以上の役員数は34人で、前年(20人)の1.7倍に増加した。 開示制度が開始された2010年3月期以降、これまで最多だった2015年3月期および2016年同期の三菱電機(株)の23人を大幅に上回り、最多を更新した。 2024年3月期の日立製作所で役員報酬額1億円以上の最高額は、クラウディオ・ファキン執行役専務の9億600万円。次いで、アリステア・ドーマー執行役副社長の8億7,800万円、小島啓二執行役社長兼CEOの6億700万円と続く。 このほか、報酬額4億円台が2人、同3億円台が1人、同2億円台が4人、同1億円台が24人だった。 2024年3月期決算の株主総会がピークを迎えている。6月21日17時現在、有価証券報告書が確認されたのは418社で、このうち役員報酬額1億円以上を開示したのは、99社・324人に達した。 コロナ禍の影響が落ち着き、円安が追い風となった輸出産業で好業績を上げた上場企業が多い。2023年度の開示企業は、社数・人数とも前年を上回る可能性が高まっている。 ※役員報酬1億円以上の開示は、「改正企業内容等の開示に関する内閣府令」に基づき、2010年3月期決算より 報酬等の総額、報酬等の種類別(基本報酬・ストックオプション・賞与・退職慰労金等の区分)の総額を有価証券報告書に記載することが義務付けられた。 ※2022年度(2022年4月期-2023年3月期)の開示社数は475社・995人。このうち、2023年3月期の開示社数は320社・人数722人。