山田孝之×仲野太賀が語る“トラウマレベル”の過酷な白石組現場とは?
白石和彌監督の集団抗争時代劇『十一人の賊軍』にW主演している山田孝之さんと仲野太賀さん。同じ事務所の先輩後輩でもある二人が語る、白石組の過酷だった撮影現場の様子とお互いの奮闘とは? PEOPLE NOW
地に足つけた唯一無二の存在感で映像界をけん引する山田孝之さんと、積み上げたキャリアを開花させ大活躍中の仲野太賀さんが、現在公開中の集団抗争時代劇映画『十一人の賊軍』(白石和彌監督作品)にW主演しています。 お二人の年齢差はちょうど10歳。所属事務所の先輩・後輩でもあるお二人は、お互いをどのように見つめ、撮影に臨んだのでしょうか。6年ぶりの共演を通して感じたことや、粘り強い撮影で知られる白石監督の魅力、子供時代の映画体験から、演じることの醍醐味までをうかがいました。 ── お二人は所属事務所の先輩・後輩という間柄ですが、比較的身近な存在として、これまでお互いをどのように見つめ、今回の共演に至ったのでしょうか。 仲野太賀さん(以下、仲野) これは孝之さんには何度もお伝えしていることですが、僕は小学生の時、当時19歳の孝之さんが出ていたドラマ(「ウォーターボーイズ」)を見て、自分も演技がやりたい! と思ったんです。 過去に演技でご一緒させていただいたことは何度もありますが、そんな憧れの方と、こうしてW主演で演じられるというのは、僕としては本当に感慨深かったです。 山田孝之さん(以下、山田) 僕はこれまでの共演経験を通して、太賀の芝居に対する本気度は肌で感じていたし、最近の高い評価も日々聞いていたので、太賀とできるというのはとてもうれしく、楽しみでしたね。
── 本作で山田さんは、新政府軍に対抗して新発田藩の砦を守る罪人の政(まさ)役を、仲野さんは、罪人たちとともに戦場に身を置く剣術道場の道場主・鷲尾兵士郎役を演じています。仕上がった映画をご覧になっていかがでしたか? 山田 僕はただただ「太賀、やっぱりいいなぁ」と思って見ていました。そして自分も、ちゃんと政として生き、政に徹することができたかなと思います。 仲野 僕は、スタッフもキャストも時間をかけて大変な撮影をして、本当に苦労して作ったものが無事完成した喜びと、ホッとした気持ちがまずありました。ボリューム感のある作品ですが、それを感じさせない勢いと熱量があり、アクション・エンタテイメントとしても見応えのあるものになっていてうれしかったです。撮影を終えて、これまでにない達成感があります。 ── そして6年ぶりの共演はいかがでしたか? 仲野 孝之さんには、役を演じる上でのストイックさも、「用意、スタート!」がかかってからのギアの上がり方もすごくて、すべてにおいて圧倒されてばかりでした。特に、政という役を懸命に生き、その思いを全うしようとする姿は圧巻で、何度ご一緒しても惚れ惚れします。 撮影にあたり、賊を演じる俳優たちが一丸となれる環境を物理的に整えてくれたのも孝之さん。精神的にも肉体的にも支えてくださって本当に感謝していますし、そういう座長の姿を間近で見て刺激を受け、自分ももっと頑張らなきゃダメだな!と思いました。