「1番打者・大谷翔平」の特大ホームラン、打点だけでない“3つの魅力”…ただベッツ骨折ドジャースには「オオタニ後の打順どうする問題」が
「ひらめきと選球眼」を使い分けるのではないか
もう1つ、1番打者に求められる「出塁率の高さ」である。 今季の大谷は早打ちが目立つが、それは初球を打った打率が驚異の.397(通算363打144安43本)と、めっぽう強いから。本来、通算でのIsoD(四球による出塁率)は.089とリーグトップクラスだ。出塁が必要な状況では、ボールを見極めるセンスも持ち合わせている。初球を快打する「ひらめき」と、ボールを見極める「選球眼」を使い分けるのではないか。 そういった意味で、1番大谷はチームの勝利のために邁進しつつ――新たな魅力を見せてくれるのではという楽しみがある。
気になるのは「大谷の後を誰が打つのか問題」
ただ、問題なのは「大谷の後を打つ打者」だ。 17、18日は捕手のウィル・スミスが2番、3番はこれまで通りフレディ・フリーマンが打ったが――本来2番には「足のある強打者」が座るべき打順である。ベッツと大谷は、ともに強打者であるだけでなく、塁に出ても脅威となる「走者」なのだ。 本来なら大谷、フリーマンの並びにしたいところ。ただしフリーマンは典型的な「3番打者」タイプで、1960試合のうち1217試合で3番を打っている(2番は366試合)。足は遅くないが「走れる」タイプとは言えない。 だから右、左打者の並びなども勘案してウィル・スミスを入れたのだろうが、捕手という守備の負担を考えればずっとこのままは難しいだろう。一方で2番に手ごわい打者を据えることができなければ、2巡目以降の打順で大谷が歩かされることが多くなるはず。 スピード感と勝負強さで言えば、大谷と仲の良いテオスカー・ヘルナンデスだが、75試合で90三振という荒っぽさは少々いただけない。新加入のキャヴァン・ビジオあたりが大化けしてくれればいいのだが。 このように、今後は「大谷の後を誰が打つのか?」が大きなポイントになろう。 ともあれ、山本由伸やベッツが戦線離脱したことを契機に、投打の新たなラインナップを「パズル」のように考えてみる……ロバーツ監督の気持ちになって試合を見てみると、今後も前向きにドジャース戦にのめり込めるのではないか。
(「酒の肴に野球の記録」広尾晃 = 文)
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