宇部出身の坂井さん油彩など50点 1月26日まで県立美術館で初の個展【山口】
宇部市出身の画家、坂井眞理子さん(東京都在住)の個展が22日、山口市の県立美術館で始まった。「いのちの色、いのちのかたち」をテーマに、油彩、アクリル、水彩のスケッチ、素描など約50点を展示。62年前の米国ニューヨーク留学時代の作品から近年の大作まで、色鮮やかな作品を公開している。来年1月26日まで。ミュージアム・タウン・ヤマグチ実行委員会主催。 坂井さんは桃山中、宇部高、女子美術大芸術学部洋画専攻卒。抽象表現主義に衝撃を受けて単身渡米。ニューヨークで2年間、研さんを積んで帰国して以来、色と形にこだわって制作活動を展開している。同館での個展は初めて。 渡米直後にニューヨークの摩天楼を描いた作品から始まり、200号の大作を含めて、60年を越える画業を紹介している。四角や円、それらの組み合わせを色にこだわって描いたり、その形を崩して表したり、自分の表現を追い求めてきたことがうかがえる展示になっている。絵筆で表せないらせんの勢いは、絵の具に浸した手で直接描くなど、エネルギッシュでカラフルな作品が来場者を魅了している。 坂井さんは「自分が見て美しいと思ったものは、すべて絵にしようと歩んできた。生まれた山口で作品を発表できて本当にうれしい」と話した。 坂井さんによるギャラリートークは30日午後2時から会場で開催(申し込み不要)。坂井さんと批評家の谷川渥さんによるトークイベントは12月14日午後2時から同館講座室で行われる(同、聴講無料)。また、関連の素描展が米屋町商店街のHEART SPOT102で開かれている(12月22日までの木~日曜の午前11時~午後6時)。 観覧料は一般500円、70歳以上と学生400円、18歳以下無料。開館時間は午前9時~午後5時(入場は4時半まで)。月曜休館(12月2日、1月6、13日は開館、年末年始の休館は12月26日~1月5日)。問い合わせは同館(電話083-925-7788)へ。 21日には宇部日報社を訪れ、個展をPR。「山口の自然は美しく、大きな影響を受けている。県立美術館から今までの作品をすべて出してほしいと依頼を受け、描き続けてきたことが認められたと感じた。自分の作品を振り返る機会にもなった」と話した。