年間赤字6.5億円!いま、札幌ドームに迫る「2つの危機」…「ライブ開催激減」「コンサドーレ降格ピンチ」
【原因(2)】コンサドーレ、J1降格のピンチ!
新球場での順調な経営ぶりを見る限り、ファイターズがふたたび本拠地として戻ることはなさそうだ。しかし札幌ドームには、「サッカーの聖地」「北海道コンサドーレ札幌」(以下:コンサドーレ)の本拠地」としての役割が、まだまだ求められている。 コンサドーレは札幌ドームの収容力・集客力を存分に生かし、多くのサポーター(ファン)獲得に成功してきた。DAZN視聴者などで総額10数億円が配分される「ファン指標分配金」で、Jリーグ60クラブ中で10位内をキープするなど、全国区の人気チームと言っていいだろう。 球団としては長らくJ1、J2を行き来していたが、2017年からはJ1に定着。2019年にJリーグ杯で巻き起こした快進撃(札幌ドームでは準決勝・ガンバ大阪戦まで開催。最終的に準優勝)も、ドームをイメージカラー一色に染めたサポーターの声援が後押しになったのは間違いない。 ただ10月26日現在、コンサドーレは「J1」20クラブ中19位と低迷し、J2への自動降格の対象(2024年は下位3チーム)の危機に瀕している。Jリーグの収益金は実力・人気で大きく変わるため、J2降格となると「均等配分金2.5億円→1億円」「人気低迷、ファン指標分配金の減少」「観客動員数の減少」などの減収が、コンサドーレ(2023年度は売上41.1億円、経常損失4.7億円だった)に押し寄せてしまう。 もちろん、降格の場合は「大和ハウスプレミストドーム」も打撃を受ける。会場使用料は引き続き得られるものの、主力選手の流出で人気が低迷すれば「2万人以上の動員で、1人あたりプラス385円の使用料を徴取」という特約に届く試合が減少、食事など物販の売り上げ減少も影響を受ける。 また世間への露出が減少すると広告獲得にも影響があり、集客の低下で「ネーミングライツにバリューがない」と判断されれば、大和ハウス工業が次の契約で「プレミスト」の名前を引き上げるような選択肢すらあり得る。