「通信制高校は自由で充実した学びの機会となる」福岡の熱血過ぎる校長が変えた異色高校の中身
こうした実践をさらに広げ、学内での起業、地域での起業を経験しながら、将来的に起業家として活躍できるような学びの場をつくっていきます。 柳川高校の始まりは柳河商業。 「子どもたちがしっかり生き、商売ができる人になるように」と始まった学校です。 起業家育成はある意味、原点回帰。そして、原点という切り口で考えると、さまざまな事情から全日制とは違う学び方を求める子どもたちが集まる通信制課程の新設は、祖父の「全員受け入れて育てる気概を持って学校運営をしていこう!」という信念と結びついています。
グローバル学園、スマート学園、宇宙修学旅行、通信制課程、起業家育成。一見、目立つために突拍子もないことを仕掛けているように思われてしまうかもしれませんが、根底には創立の精神が息づいているのです。 キャッチフレーズは、「はじまりは! 柳川高校。」 今、柳川高校のホームページやパンフレットを見たとき、最初に目が行く場所にこんなキャッチフレーズが躍っています。「はじまりは! 柳川高校。」 このキャッチフレーズは「これから10年使われる言葉を考えよう」とコピーライターや広告代理店の方々とミーティングを重ね、重ね、重ね……締め切りが近づく最後の最後、明け方の4時くらいに自宅の寝室で寝っ転がっていた私が思いつきました。
「はじまりは!」には、柳川高校に集う人たち全員にとって「柳川高校が始まりの場所になって欲しい。そうしていきたい」という思いが詰まっています。 例えば…… ■ 宇宙になんかまったく興味のなかった新入生が「宇宙修学旅行」と聞いて、「なにそれ、行けるの!?」と気持ちを動かす ■ 「メタバース? なにそれ?」と怪訝(けげん)な顔をしていた保護者の方が、子どもたちから授業の話を聞いて、「見てみたい、やってみたい」と思い始める
■ 海外旅行に行くことを考えたこともなかった生徒が、留学生と話すうち、この子の育った街に行ってみたい! とパスポートを取得する そんな「はじまりは」もあれば、こんな「はじまりは」もあって欲しい。 ■ 中学までは数学が嫌いだったけど、高校に入って出会った先生の教え方がおもしろくて、「数学悪くないかも?」と思い始めている ■ 絶校長が朝礼で失敗談をどんどん話すから、大人になっても失敗していいんだなって気が楽になった