「金作原」利用適正化会議 来年6月からルール変更 認定ガイド駐車スペース「三差路」のみに 鹿児島県奄美大島
2024年度第2回奄美大島利用適正化連絡会議(事務局=県自然保護課奄美世界自然遺産室)が14日、鹿児島県奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。関係機関から34人が出席、金作原国有林の利用ルールなどについて意見を交わした。認定ガイド等の車両駐車スペースについて、2025年6月1日から通称・三差路と呼ばれる箇所のみとする自主ルールが確認された。 同会議は、環境省、林野庁、県、市町村、自然保護団体、観光団体などで構成。自然環境を保全しながら観光資源としての適正な活用を図ることを目的に17年に設置された。 奄美市世界自然遺産課から、三差路までのアクセス道路(農道知名瀬線)で9月、大雨に伴う土砂の流出があり、10月28日から大型バスの通行を禁止したと報告があった。道路の構造上の問題から再開は見込めないため、継続措置となる。 貸切バス利用者は現在、名瀬運動公園でタクシーに乗り換え、同エリアへ乗り入れている。これに伴い、貸切バス2台、認定ガイド車両8台としていた駐車スペースの利用について25年6月1日から、「認定ガイド車両及びタクシー」を対象に、「10人乗り以下の車両、最大10台まで」とするルールとすることを確認した。 三差路から約0・8㌔奥にある金作原ゲート付近の路肩へ駐車していた認定ガイド車両は、歩行者の安全確保の観点から乗り入れが禁止される。 1968年に設立し、同地で月1~2回の自然観察会を開催してきた「奄美の自然を考える会」(森山力藏会長)は、「認定ガイド同行のルール導入以来、5年以上にわたり観察会が開催できない。島民にとって閉ざされた自然になっている」として、同会に複数人所属する自然観察指導員を認定ガイドと同等の扱いにしてほしいとする要望書を提出した。 出席者から「自然観察指導員は、認定ガイドより知識が豊富」とする意見があり、事務局は「子どもの学習機会創出の観点から検討に値する」といった回答があった。