富士通、アイシンが大接戦を制しファイナルへ[皇后杯ファイナルラウンド/バスケ]
一瞬の勝負どころをつかんだ富士通が前回大会覇者デンソーに勝利
第91回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会ファイナルラウンド準決勝2試合が、12月14日 に国立代々木競技場第二体育館において行われた。 予選を勝ち上がった8チームによる準々決勝において、富士通 レッドウェーブ、デンソー・アイリス、アイシン ウィングス、トヨタ自動車 アンテロープスがベスト4に名乗りをあげた。 【写真】皇后杯セミファイナルのフォトギャラリー(16点)をチェック 準決勝第1試合では富士通対デンソーが対戦。富士通は昨シーズンのWリーグ女王、デンソーは前回皇后杯の覇者。今シーズンもリーグ戦で1位、2位という好成績を残している両チームによる大一番となった。 序盤、富士通はNo.25内尾聡菜が3連続でシュートを沈め7得点とオフェンスをけん引。一方でディフェンスではデンソーを封じ込め、そこからファストブレイクといい流れを作る。デンソーは5分を過ぎたところで、No.88赤穂ひまわりのフリースローで初得点と出遅れるも、そこからは両者それぞれの選手たちが持ち味を出しつつ試合が進む。デンソーのオフェンスにも勢いが出て、流れを引き戻し14-16として1Qを終えた。2Qも引き続き取ったら取り返す流れ。富士通がリードする時間が長かったが、デンソーもしっかりと付いていった。 富士通とデンソーはこれまでレギュラーシーズンで2戦しており、富士通が2勝。それだけに「ディフェンスでは変えた部分もあり、それがうまくいっていることもありました。付いていけていましたし、チャンスが来ると思っていました」とデンソーのNo.88赤穂は試合後に語ったが、26-31で迎えた後半も何度かチャンスをつかめそうな瞬間は訪れた。実際、逆転する場面もあったのだが、富士通がすぐに取り返し、デンソーとしてみれば試合の主導権をつかみ切れない戦いとなった。さらに、No.No.0馬瓜エブリンがリバウンド争いからコートに体を打ち付け退場となる不測のアクシデントもあった。 45-43と富士通の2点リードで迎えた最終クォーター。突き放したい富士通、付いていきながら逆転のチャンスをうかがうデンソーといった攻防が続く。勝負の流れが動いたのは残り5分を切ったところ。No.10町田瑠唯が3Pシュートを決め52-47と5点差に広げると、「なかなか打つチャンスがなかったのですが、あのときはぽっかりと空いた」とNo.52宮澤夕貴も3Pシュートで続き、その差を8点に広げた。その後、デンソーもNo.7 高橋未来が3Pシュートを決め返すなど最後まで粘り続けたが、一瞬傾いた流れをつかんだ富士通は、その後ゲームの流れを渡すことなく59-56で逃げ切りを果たした。 「ディフェンスで我慢できました」とBTテーブスHC。序盤の流れを作った内尾も「コンパクトにハードに守るというチームディフェンスはできたと思います。高田選手にはやられましたが、そのほかのところは守れていたと思います」とディフェンスでつかみ取った勝利を振り返った。