富士通、アイシンが大接戦を制しファイナルへ[皇后杯ファイナルラウンド/バスケ]
ラストワンプレーでアイシン 渡嘉敷が決勝ゴール
準決勝第2試合はアイシンとトヨタ自動車の対戦。どちらも準決勝でリーグ上位チームを降してベスト4入りを果たした勢いのあるチーム同士。一方、プレースタイルは好対照。今シーズンから加入したベテランのNo.1渡嘉敷来夢、昨シーズンまでチームを支えてきた若手エースのNo.10野口さくらといったインサイドでの攻防を軸にするアイシンに対し、サイズはなく、若手選手が多いトヨタ自動車は、足を使った激しいディフェンスからのブレイクと3Pシュートで勝機を見出していく。 1Qからそうした両者のスタイルがはっきりと出る戦いとなった。アイシンは渡嘉敷が1Qだけで10得点、野口が6点と続く。トヨタ自動車は3Pシュートの試投数が12本と、アイシンの1本と比べて大きな開き。ただ、トヨタ自動車は成功が3本と成功率が上がらなかったことも影響し16-21とビハインドを負った。 2Qに入ると、トヨタ自動車はディフェンスを修正し、渡嘉敷の得点を防ぎにくる。攻めては3Pシュートの当たりがこないなか、No.23山本麻衣、No.15安間志織が広いスペースに飛び込むドライブで効果的に得点し、ビハインドを取り返し33-32とリードを奪った。 後半に入り、再びアドバンテージを取ったのはアイシン。連続得点でリードを取り戻すと、そのリードを守りながら46-43で最終クォーターを迎えた。 アイシンはベテラン勢の疲労が見られるなか、トヨタ自動車の山本、安間がディフェンスをかいくぐりドライブを決めて48-48と同点に追い付く。さらに山本が3Pシュートで逆転。一方のアイシンはこの試合出ずっぱりの渡嘉敷が最後の力を振り絞って連続得点、残り2分を切った時点で54-53と再逆転した。するとトヨタ自動車はNo.42田中平和が3Pシュートでリードを奪う。アイシンは渡嘉敷がフェイドアウェイ気味の難しいジャンプシュートを決め再度同点に追い付く。時間は流れ残り4.6秒。ヘッドコーチチャレンジで覆り、アイシンが得たラストポゼッション。フロントコート、サイドラインからのスローインでNo.12吉田亜沙美から渡嘉敷へパスが渡りシュート。これがこぼれるも渡嘉敷自らリバウンドを押し込み58-56と勝利をもぎ取った。 「タイムアウトのあと、タク(渡嘉敷)が『裏パスでもいいですよ』って言っていたので」と吉田は決勝ゴールを演出したピンポイントのアシストパスについて話す。渡嘉敷も「トヨタさんは(ディフェンスで)前を締めてくるのが強いので、裏が空くかなと。4秒あるので好きに使えと言われていました。(パスが通って)ラッキーと思ったんですけど、思いのほか後ろからブロックが飛んできたので、力が入ってしまって落としたんですけど、そのあと取って決めれば誰も文句言わないだろうと思って…、ここで決め切れなければなんのためにアイシンに来たんだろうと思うところでしたので、決め切れて良かったですし、みんなが自分を信じてくれた結果です」と振り返った。 かくして手に入れたファイナルの舞台。「若手にはシンプルに、思い切りやってくれれば」と渡嘉敷。初のファイナルという選手が多いなか、「この経験で一つも二つも選手自身も、チームもレベルアップしいていくと思うので。思い切りやってもらって、あとはベテランがカバーすればいい。若手が思い切ってやってくれればチームは勝利に近付くと思います」とその理由を語った。 17シーズンぶりの皇后杯獲得を目指す富士通、初タイトルを狙うアイシンのファイナルは本日15日、15時よりスタートする。 ●皇后杯ファイナルラウンド 決勝 12月15日 15:00~/富士通 レッドウェーブ vs. アイシン ウィングス 第91回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会 ファイナルラウンド 大会方式:トーナメント戦によるノックアウト方式 競技規則:大会各ラウンドとも開催時における最新のバスケットボール競技規則で実施する。但し、2次ラウンド以降は「2025 バスケットボール競技規則 主な変更点」を適用する。※現状においては「2024バスケットボール競技規則 (Official Basketball Rules 2022)」 を最新とし、プレーヤーが競技中に身につけるものは、原則として日本バスケットボール協会の「競技規則 第4条4-4その他の身につけるもの」に準ずる。但し、コンプレッションウエアの着用については、1次ラウンドから認める。 使用球:モルテンB6G5000 出場チーム:女子総数:61チーム 大会日程:2024年12月11日(水)~15日(日) ※12月13日(金)はレストデーのため試合予定なし 会場:国立代々木競技場 第二体育館 (東京都渋谷区) 大会オフィシャルサイト:https://zennihon2024-25.japanbasketball.jp/