「警察の中に山やクマの習性に詳しい者がいない」「後方に陣取るだけ」…猟友会のハンターが明かす、「クマ被害は人災」と言えるワケ
「あれは完全に人災だった」
我々はヒグマを撃った経験がありません。そもそも体格が倍ほども違う。使う銃弾の種類も違います。気性も違えば装備も足りない。肝心の逃げたヒグマの頭数も、どこに逃げたのかも分からない状態でした。 敷地に入る時には、警察も消防も向かいの通りに陣取っているだけで、決して近づきませんでした。仕方なくバックホー(重機)を持ってきてもらい、それに乗って捜索をしました。はたして我々の装備でヒグマを駆除できるのか誰にも分かりませんでした。リーダー役の方からは必ず頭を狙えという指示を受けました。 そこでクマを撃った話はあまりしたくありません。いい思い出ではないからです。6頭を駆除し終わって、逃げたクマがいないか、敷地周辺に足跡がないか、時間をかけて捜索しました。後に警察署長からは感謝の言葉とタオルをもらって終わりました。それで終わりです。決してクマが悪いわけではない。あれは完全に人災でした。 では、どうすれば人災を防ぐことはできるのか。つづく記事『「自治体は出動要請するだけ」「責任はすべて猟友会」…ベテランのクマ撃ちが訴える、市民の生命を守らない国と警察の罪深さ』では、自治体と猟友会の軋轢を解決するための具体的な方法をさらに探ります。
野田 洋人
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