壁の向こうから子猫の鳴き声 板を外して救出するも…屋根の上には心配そうな母猫 猛暑の救出劇「天井裏にまだ数匹いる!」
屋根の上の母猫
残るは屋根の上の母猫1匹。何とか保護したいけれど、子猫を救出している間に太陽は西に沈んでしまっていました。お爺さんも何とかしてあげてと懇願するのですが、真っ暗の中、屋根に登るのは危険です。この日は捕獲器を設置してにゃにゃ倶楽部は帰路に就きました。 次の日、捕獲器を見てみると母猫が入っています。暴れることもなく、おとなしく。スタッフが声をかけると、静かに「にゃ」とお返事をしてくれました。このまま動物病院へ向かい、検査を行います。 そこで分かったのは、母猫がマンソン裂頭条虫症にかかっていること。これはカエルやヘビを食べることでかかる寄生虫由来の病気です。子猫たちはまだ母乳を飲んでいたため、かかっていませんでした。 この凛と生きた母猫は「りんたん」と名付けられます。自分と子猫たちが助けられたことを理解しており、にゃにゃ俱楽部のシェルターではスタッフを威嚇することなく穏やかにケアを受けてくれました。 子猫たちに全員新しいお家が見つかると、「もう大丈夫ね」とりんたんは子猫たちの世話を止めます。人間は信頼できる存在だと、りんたんは知っているから。
今度は看板にのった猫
現在のりんたんは、大阪府高槻市にある譲渡型保護猫カフェ「チェリッシュ」で新しい家族を待っています。人間は信頼しているけれど、ベッタリはしないのがりんたん流。仲良しの猫とだけ遊びます。 実は、最近リニューアルしたチェリッシュの看板にりんたんの写真を使ってもらったんですよ。頑張って生き延びた保護猫代表として。阪急高槻市駅から高架下を西に2分ほど歩くと、りんたんにいつでも会えます。 つらいことがあったら、見上げてくださいね。どれだけ過酷な状況でも諦めず、我が子を守ろうとしたりんたんの姿に元気をもらえますよ。 ◇ ◇ 【一般社団法人AnimalProtect「譲渡型保護猫カフェ チェリッシュ」】 大阪府高槻市北園町19-16 タムラビルⅡ3階 (まいどなニュース特約・ふじかわ 陽子)
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