夏の甲子園で“本物”だったドラフト候補10人
10人のリストに入れたのは、今大会2本塁打、打率.571の数字を残した大阪桐蔭で3番を打つ松尾汐恩(178/76)、捕手と一塁の兼任だが、1回戦の盈進戦での2発を含む2試合連続で大会3本塁打を放った鶴岡東の土屋奏人(177/74)、投手もする強肩が自慢の九州国際大付の野田海人(174/74)の3人。しかし、ベスト4進出の聖光学院を牽引している山浅龍之介(175/82)、興南の大型捕手、盛島稜大(185/93)も甲乙つけがたい可能性を持つ捕手だという見方をしている。 「松尾は身のこなしが天下一品。下関国際戦のチャンスでボール球にバットが止まらず三振した点が気になるが、一部で指摘を受けているスローイングに問題はなく、上位指名される可能性は高いだろう。近代野球にふさわしい攻撃型捕手。その先駆者であった中日、巨人で活躍した中尾孝義の姿がだぶる。土屋は、なんといっても、そのパンチ力。野田は、鉄砲肩でバットスイングも速い。山浅はプロ並みのクイックスローができる」 そして野手の最後の1人に加えたのがヤクルトの村上宗隆の4つ違いの弟として話題となった九州学院の「4番・一塁」村上慶太(190/94)だ。帝京五戦での2本の長打と国学院栃木戦での結果的に決勝点となった先制タイムリーで非凡さをアピールした。 「準々決勝の聖光学院戦では、力んだのか4打数ノーヒットに終わり結果を出せなかったが、やはり兄を彷彿とさせる体のサイズと、2試合で見せた打撃での対応力は素材として面白い。鍛えがいのある選手。報道によれば本人はプロ志望らしいし、話題性もプラスされてどこかが指名するのではないか」 今秋のドラフト会議で名前が読み上げられるのは果たしてどの選手か。(文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)