カシュカリ総裁、12月利下げを妨げる可能性があるのはインフレのみ
(ブルームバーグ): 米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で追加利下げが適切かどうかを判断するため、今後発表されるインフレ関連データに注目する考えを示した。
カシュカリ総裁は12日に開かれたヤフー・ファイナンス・インベスト会議で、来月のFOMC会合での利下げ一時停止の可能性について尋ねられると、「インフレ面で驚くようなことが起こらない限り、見通しが劇的に変わることはないだろう」と返答。
「それまでにインフレが予想外の上振れを見せれば、利下げを一時停止する可能性もある」と述べた一方、「12月までに労働市場が実際に過熱するとは考えにくく、それほど時間はない」と付け加えた。
FOMCは今月7日に政策金利を0.25ポイント引き下げ、2会合連続の利下げを実施。9月のFOMC予測では、11月と12月の会合で0.25ポイントずつ利下げが示唆されていたが、インフレの進展が停滞し、堅調な成長が見られる中、投資家は年内最後の会合での利下げ予想を後退させている。
カシュカリ氏は、経済は堅調だが、インフレ率は米金融当局目標の2%まで完全には低下していないとの認識をあらためて示した。住宅価格の上昇が平均を上回るペースであることからみて、物価上昇率が目標に届くには1、2年を要する可能性があるものの、インフレ鈍化は「心強い」とも述べた。
さらに、生産性の伸びが堅調な中、景気を刺激も抑制もしない中立金利が現在、高めの水準にある可能性があると指摘。その場合、今後数カ月の間の利下げは従来予想よりも小幅になり得る。
カシュカリ氏は、中立金利の正確な水準は現時点では不明だが、政策当局者らは向こう1年でその感触をつかんでいくだろうと述べ、政策は現時点では「適度に景気抑制的」だと付け加えた。
原題:Fed’s Kashkari Says Only Inflation Could Derail December Cut(抜粋)
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Catarina Saraiva