【睡眠のギモンQ&A】寝だめについて、子どもと川の字…LEE100人隊からの質問に眠りの専門家がアンサー!
朝型・夜型、寝だめ、川の字……気になることを深掘り 睡眠のギモンQ&A
LEE読者から多数寄せられた質問に、柳沢さんが回答。誰もが気になる睡眠の不思議や、メカニズムが明らかに!
教えてくれたのは
●柳沢正史さん Masashi Yanagisawa 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長 睡眠の仕組みを解き明かす研究に長年携わる。1998年に睡眠・覚醒を制御するオレキシンを発見。テキサス大学の教授などを経て、2012年に筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構を設立。株式会社S’UIMIN代表。
Q.子どもと一緒のふとんで寝ています。おなかを蹴られたり、途中で起きてしまったり。やはりいい睡眠は取れていない?──LEE100人隊No.062 みきちきさん A.同じ部屋で寝ても、せめてベッドと掛けぶとんは分けて 仕方ないのですが、やはりいい寝方とは言えません。親子が同じ部屋で寝るとしても、ベッドは別に。また、掛けぶとんを共有しているケースも多いですが、寝返りを打ちにくくお互いの睡眠が妨害されるので、掛けぶとんも分けましょう。親だけでなく、子どもの成長にはいい睡眠が不可欠。子どもの睡眠の質の向上のためにも、早めに親子の寝室を別々にすることを検討して。
Q.“朝型、夜型”と言いますが、そういうのはあるのでしょうか?──LEEメンバー ゆかさん A.遺伝子で決まっていて、年齢でも変化 24時間の周期が短いのが朝型で、長いのが夜型。これは遺伝子で決まっていて、意思で変えられるものではないのです。加えて、若いときは夜型が多く年齢を重ねると朝型になり、年齢でも変化。小学生までは朝型が多く、思春期~30代頃まで夜型となり、中年以降は徐々に朝型に戻ります。夜型の人が朝型の生活をするのは、その逆より大変ですが、現代社会は朝型に有利で、夜型だとメンタルの不調が生じることもあります。 Q.睡眠は90分サイクルで計算すると、寝起きがいいと聞いたことがありますが本当?──LEE100人隊No.081 springさん A.90分は大きく揺らぐ! 睡眠の切り替えのタイミングは人によって違う ノンレム睡眠、レム睡眠と睡眠のステージが変わるのが90分でその切れ目で起きるといい、という話だと思いますが、90分は平均値にすぎません。睡眠を計測するとノンレム睡眠、レム睡眠の時間やタイミングは人によって違うし、日ごとにもゆらぐんですね。90分サイクルで寝起きがいいというのは誤りです。 Q.年齢を重ねると、長い時間寝すぎないほうがいいですか?──LEEメンバー kiraさん A.1日9時間以上もベッドにいたり、昼夜のメリハリがないのは× 睡眠不足は当然体によくありませんが、人間は必要以上に眠ることもできません。年齢を重ねると、多くの人が6~7時間寝れば十分なのですが、必要以上にベッドにいる時間が増えたり、昼と夜のメリハリがなくなったりしがち。お年寄りでも昼間はできるだけアクティブな生活を送り、晩も必要十分な床上時間に留めましょう。 Q.翌週が忙しいときに、週末に寝だめをしたいのですが、そもそも寝だめはできる?──LEEメンバー はるねさん A.睡眠は貯金ができない。睡眠負債を返すことならできます 睡眠は貯金ができないので、よく言われる“寝だめ”はできません。借金=それまでに睡眠不足を返すことなら可能です。翌週が忙しくて睡眠が不足しそうなことがわかっているならば、せめて先週までの借金を返すために週末にしっかり寝ておくと、多少は体への負担が軽くなります。ただし「時差ボケ」にならないために、週末でも極端な遅寝遅起きにならないように。