パウエル議長の決意揺らぐ恐れも、物価統計は高金利の長期化説を補強
来週の連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が20年来の高水準に据え置かれるとの見方が広がっている。FOMCメンバーの予測中央値は6月会合まで発表されないが、金利予測分布図(ドットプロット)が3月会合時のような年内3回の利下げ予測を示さないことは明らかだ。
「リスクバランスは明らかにインフレ率上昇の方向にシフトした」とLHマイヤー/マネタリー・ポリシー・アナリティクスのエコノミスト、デレク・タン氏は指摘する。「次のドットプロットでは今年予想する利下げ回数が3月予想より少なくとも1回は減っている可能性が高い。つまり利下げ開始は遅れるということだ」と述べた。
パウエル議長は先週のパネル討論会で、物価上昇圧力が根強く続いた場合、金融当局は「必要な限り」金利を据え置くことが可能だと述べた。
パウエルFRB議長、利下げ開始の先延ばし示唆-インフレ根強く (2)
INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「来週のFOMCが3月よりもタカ派的になるのは避けられないだろう」と話す。「インフレの鈍化が予想されるという話をまたするだろうが、緩和に踏み切るには複数月にわたって実際にそれを確認する必要があると認めるだろう」と述べた。
原題:Inflation Data Reinforce Powell’s Shift Toward High for Longer(抜粋)
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Steve Matthews