【JBCクラシック】川田騎手、涙の凱旋V ウィルソンテソーロで故郷佐賀に恩返し「うれしい」
<JBCクラシック>◇4日=佐賀◇Jpn1◇ダート2000メートル◇3歳上◇出走11頭◇1着賞金1億円 【写真】涙を流す川田騎手 地元佐賀へ、最大の恩返しだ! 1番人気ウィルソンテソーロ(牡5、小手川)が、Jpn1初制覇を果たした。川田将雅騎手(39)が早めに仕掛ける積極的な騎乗を見せ、2着メイショウハリオに4馬身差をつける快勝。生まれ育った佐賀競馬場でのビッグタイトルに鞍上は感極まり、涙をこぼした。開業5年目の小手川準調教師(52)もJpn1初勝利となった。 ◇ ◇ ◇ 思いがあふれ出た。ウィルソンテソーロを勝利に導いた川田騎手は、ゴール後に馬上で立ち上がって力強いガッツポーズを見せた。いつもは冷静な鞍上が喜びを爆発させた。満員のスタンドから川田コールが降り注ぐ中、ウイニングランで深々とお辞儀。「おかえり」「おめでとう」。温かい歓声が人馬を包んだ。 いまや世界のトップジョッキーとなった川田騎手はこの競馬場で生まれ育った。ゲート裏では、幼少期の思い出がよみがえった。「あそこで僕はちびっこ相撲の練習とかしてましたから。そんなところでJBCを開催してくれるようになり、これだけすばらしい馬と巡り会えて佐賀に来ることができました。地元でG1を勝つというのはこんなに感極まるんだなと本当にうれしく思っています」。目には涙が浮かんでいた。 渾身(こんしん)のリードに感謝が詰まっていた。道中は逃げ馬の後ろで待機し、早めに仕掛けて3コーナーで先頭に立った。直線も勢いよく伸びて2着メイショウハリオに4馬身差をつけた。「何より、具合がとてもよかったですし、必ず勝つ競馬をしようとこのレースに挑みました。同じオーナーのウシュバテソーロに追いつけるように、精進していきたいです」。やわらかい笑みを浮かべた。 管理する小手川師はJpn1初勝利。「この中間は何が何でもG1を勝たせたいという気持ちだった。精神的にすごく成長していて、馬房でも堂々としていた。これならいい勝負ができるなと」。自信を持って臨んだ大一番は最高の結果が待っていた。今後は馬の様子を見ながら決定する予定。国内はもちろん海外挑戦への期待もつのる。佐賀の小さな競馬場から、大きな大きな夢が広がった。【下村琴葉】 ◆ウィルソンテソーロ ▽父 キタサンブラック▽母 チェストケローズ(アンクルモー)▽牡5▽馬主 了徳寺健二ホールディングス(株)▽調教師 小手川準(美浦)▽生産者 リョーケンファーム(株)(北海道日高町)▽戦績 19戦8勝(うち地方7戦4勝、海外2戦0勝)▽総獲得賞金 4億6466万9800円(うち地方2億5100万円、海外1億1984万1800円)▽主な勝ち鞍 23年かきつばた記念、マーキュリーC、白山大賞典(以上Jpn3)▽馬名の由来 人名より+冠名。