「私の手には負えないから」と病院をたらい回しに…コロナワクチン後遺症の「美人コスプレイヤー」が医師への不満を募らせる理由
鍼灸院の先生が救いに
――受け入れることで心境は変わりましたか。 まひ:自分の心を変えていくしかないと考え、今は頭が痛くても体調が悪くても動こうと思うようになっています。美術館で絵を鑑賞するようにゆっくりと歩くようにしていますし、運転できそうなときは運転して病院に行こうと。途中でダメになったら救急車を呼べばいいと。倒れることを恐れていたらダメだと思って、前向きに後遺症と向き合っています。 ――現在は鍼灸院に通っておられるそうですね。 まひ:通っている鍼灸院の先生には、必ず治るから、大丈夫だからと言って励ましてもらっています。先生はものすごく勉強熱心ですし、いろいろな患者さんを診ている方なので、希望はありますね。鍼灸を馬鹿にする医者もいますが、私は鍼灸の治療を受けた後に楽になるのは事実。こんなに凄いものはないと思っています。 ――まひさんはXで自身の後遺症について発信しています。X上ではワクチンについて賛否両論様々な意見が飛び交っていますよね。いろいろなメッセージが来るのではありませんか。 まひ:後遺症だと告白してから、訳の分からない治療機器の勧誘がたくさん来るようになりました。あと、東京で医者をやっているという人から、「お金に困っているなら一緒に住まないか」とメッセージをもらったこともあります。もちろん断りましたけれど。ちなみに、彼氏とは6年間付き合っていたのですが、私がこんな状態だし、一緒にいても相手も辛いだろうということで、友達のような関係になりましたね。今、恋愛についてはあんまり考えていないかもしれない。別にいいや……という感じですかね。
コスプレが生きがい
――まひさんは秋田でコスプレイヤーとしても活動し、イベントにも参加されています。 まひ:高校3年生、18歳の時、友達がボカロ(注:「初音ミク」などのボーカロイドのこと)好きだったので、私が鏡音リン、友達はレンのコスプレをして一緒に地元のお祭りに行ったのがコスプレの始まりです。本格的に始めたのは地元の調理師の専門学校に行ったときで、そこで出会った友達がコスプレをしていて、私も熱が入って一緒に県内のイベントに参加するようになりました。 ――もともと、アニメや漫画などはお好きだったのですか。 まひ:小学校の時からゲーム好きで、特に「ポケモン」が凄く好きでしたね。高校生の時に「ニコニコ動画」にはまって、ニコ生主をやったり、“歌ってみた”の動画を投稿したりしたこともあります。あと、仕事の1時間の休憩中に、ヒトカラに行くくらいカラオケも好きでした。最近は体調が悪くてゲームもできていないのですが……。 ――そんなまひさんにとって、コスプレはどのようなものですか。 まひ:生きがいですね。自分ではない誰かになれる。現実から離れられる。コスプレのおかげで生きているって感じです。コスプレに対する思いは、ワクチンを打って、具合が悪くなってから強くなりましたね。元気だったころはカラオケが趣味でしたが、病気になってからやれることがなくなった。2022年の頃は何もできず、家でアニメをなんとなく見ている日常を送っていたのですが、学生時代にコスプレをしていたことを思い出して、衣装を着てみたら、しっくりときたんです。それに、コスプレをやっていたら後遺症の症状が忘れられる。その間だけ痛みが緩和する、と思ったんです。 ――コスプレがもつ力は凄いですね。 まひ:そう気づいてから、少し体調がいいときにコスプレをやってみようと思いました。コスプレを再開してから、だいぶ前向きになりました。アニメも見たいし、イベントに行きたいし……夢も大きくなりましたね。私はコスプレを仕事にしなくても、誰かのために役立てるような活動をしたい。例えば、自分の地域を活性化したいと思ったときに、公式キャラを作って公認レイヤーになったりとかね。イベントでコスプレもできるし、一石二鳥じゃん、と。とにかく、コスプレをしているときは生きている実感が得られて、前向きになれるのです。