「若い世代だけ報酬上げるのは…」 町に若手議員増やす狙いがなぜか「全員引き上げ」…理由は物価高、不透明な議会の議論に住民から不満の声
一転、案は不採用 最終的に…
しかし今年8月1日の全協では、若い議員を増やしてほしいという意見を、若い世代に手当を出してほしいと解釈するのはおかしい―などの意見が出て小委員会の案は採用されなかった。それだけでなく、2004年から20年改定されていない現行の報酬額は近年の物価高が反映されていない―として、一律で26万4千円への引き上げを町に求める方針を決めた。
「議長が誘導」一部の議員が反発
これに一部議員が反発。欠席者が2人いたことに加え、久保島巌議長の進行が「一律引き上げになるよう誘導した」との批判も出て、8日に再度、全協を開いた。多数決で1日の決定を白紙に戻し、若い世代の処遇改善を求めることを確認した上で、最終的な町への提案書は▽59歳以下の報酬引き上げ▽各議員の前年度の所得に応じて決定▽一律で引き上げ―の3案併記となった。
「物価高理由にするなら小委員会必要なかった」
飯島町議会は30代が1人、40代が2人いるものの、60代以上が9人と圧倒的に多い。小委員長を務めた片桐剛議員(46)は審議会の答申について「意図していない結果。物価高を理由に引き上げるなら、若手対策を検討してきた小委員会の設置も住民アンケートも必要なかった」。副委員長の坂井活広議員(41)も「若手支援の結論を先送りにしただけ」との見方。「(審議会の)議事録を読むと陳情の趣旨ではなく、『高齢者の生活も苦しい』といった内容で、納得できる議論がされていない」と語る。
「町民負担増えるだけでは」「若手も高齢者も町民の代弁者」
町は審議会の答申を受け、議員報酬の改定に向けて12月町議会に関連議案を提出する方針。町内の40代パート従業員女性は「議員定数を削減しないままの一律引き上げだと、町民の負担が増えるだけでは」と町財政への影響も指摘する。町地域おこし協力隊員の神座(じんざ)想さん(34)は「若手と高齢者、どちらも町民の代弁者として大事。お互いのために良い結果になることを期待したい」と町と町議会の議論を注視している。