ファストフード、スナック菓子がやめられない… 「老化を加速させている人」の特徴と対策
梅雨晴れの日の猛暑と強烈な日差しは、もう真夏そのもの。少し屋外を歩くだけで汗だくになり、ぐったりしてしまいますよね。本格的な紫外線対策を考える人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、老化を防ぎ、エイジングケアにつながる食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます! 【保存版】心も体もバテてしまっていませんか…? 「老化を加速させている人」のNG習慣まとめはコチラ
紫外線対策・活性酸素対策はできていますか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 273 梅雨明け前から危険な暑さに脅威を感じる2024年の夏ですが、体調お変わりありませんか。鼻水が止まらなかったり、喉を傷めたり、だるさを感じたり、寝不足になったりと不快感に悩まされている人も増えていますよね。体調不良対策と同時に、バッグの中には常に日傘や帽子、日焼け止め、サングラス、保湿のミストなどを携帯して、エイジングケアに本腰を入れ始めた人も多いのではないでしょうか。 肌の老化は加齢による問題よりも紫外線による問題が8割だともいわれています。紫外線A波、B波がともにたくさん降り注ぐ夏は、外からの紫外線対策、体の中からの活性酸素対策が老化防止のために欠かせません。飲む日焼け止めと称するサプリに頼る人も多いと思いますが、食事ではカラフルなもの、香り高い野菜、ナッツ類と、ファイトケミカルが豊富な抗酸化力の高い食材を意識的に取り入れることも実践したいですよね。 ということで、今週は暑い夏のなか、老化を加速させない食薬習慣を紹介します。 今週は、エイジングケアとなる食薬習慣 夏といえば、強い紫外線を浴びる機会が増え、一年の中でも肌の老化を加速させてしまいやすい季節と考えられています。紫外線対策はできていますか? 活性酸素対策はできていますか? 実際のところ、抗酸化作用の高い野菜を食べることを意識するよりも、キンキンに冷えたジュースや、ハイボール、ビールなどの炭酸、かき氷やアイスクリームなどを無意識的に食べたり飲んだりする機会のほうが多いかもしれません。 また、気分は灼熱の夏ですが、実際は炎天下のもとで過ごすよりもカーディガンやひざ掛けが必要になるくらい寒い室内で過ごすことのほうが多い場合もあると思います。こうした過酷な環境の中、自律神経は乱されていくのですが、それに伴いファストフードやスナック菓子を食事の代わりにしてしまう人も多いようです。夏バテはしたくないし、老けたくないけど、心と体はバテてしまい言うことを聞いてくれないと感じることもあると思います。 漢方医学では、持久力が低下したり、だるさを感じたり、老化を加速させてしまう状態を『腎虚』といいます。そして、夏バテしているときに食べやすいと感じる便利な食材は、糖化や酸化、腸内環境の悪化などを助長することが多いです。慢性炎症を起こし、老化や生活習慣病の原因にもなる『湿熱』を生じやすいとも言えます。そこで、今週は抗酸化食材を取り入れ、睡眠の質を見直すことで『補腎』しつつも、ファストフードやスナック菓子の頻度をできるだけ減らすことで『湿熱』が生じないようにすることを考えていきましょう。 今週食べるとよい食材は、【簡単! アボカドのポタージュ】です。そして逆にNG習慣は、【食事代わりのファストフードやスナック菓子】です。 食薬ごはん【簡単! アボカドのポタージュ】 食べる美容液とも呼ばれるアボカドを活用します。抗酸化力が高く、血流を促す働きのあるビタミンEをはじめとしてグルタチオン、ビタミンC、ビタミンB群、マグネシウム、鉄、亜鉛など『補腎』に役立つ栄養が豊富です。さらに、腸内環境を整える『湿熱』の排泄を促す食物繊維も豊富。ショウガやレモンと合わせて、抗酸化力、抗菌作用、冷えの解消など様々な夏の問題解決に役立つポタージュをミキサーなしでつくっちゃいましょう。 <材料>2人分 アボカド 1個 味噌 大さじ1 おろし生姜 2片(チューブ可) 豆乳 400ml レモン(果汁とスライス) お好みで <作り方> ジップ袋にアボカド、味噌、おろしショウガを入れ、手でよくつぶしながら滑らかにする。そこに豆乳を加え、レモンを加え、さらに滑らかにしたら完成。冷製でも温めても大丈夫です。 NG行動【食事代わりのファストフードやスナック菓子】 暑苦しいときの食事にファストフードを選んだり、スナック菓子をご飯の代わりにしたり、アイスやジュースなどの登場頻度が増えたりしてはいませんか? たまになら良いですが、毎日続けていては、栄養がかたよったり、糖質の分解にビタミンB1が消耗し疲れやすくなったり、腸内環境が乱れ免疫が低下したり自律神経が乱れやすくなったりすることで、夏バテを強く感じてしまうこともあるかもしれません。さらに、このような糖質の多い食事によって糖化も促され、夏の終わりには疲労感だけではなく、老化を加速させることになります。 ファストフードやスナック菓子、ジュースなどは、美容の大敵であることはイメージしやすい食材だと思います。暑さにやられてしまっているときには、避けたい存在ではなく、救世主のような存在に感じてしまいがちです。ですが、未来の自分を作っているのが、今日の食事であることも忘れないようにしましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)や新刊『だる抜け ズボラ腎活(ワニブックス)』でも紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは… 『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報> 大久保 愛 先生 漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。 公式LINEアカウント@aika ©SKIMP Art/Adobe Stock
大久保 愛