IAEAで非難決議を採択 イランは対抗、新型の遠心分離機を稼働へ
国際原子力機関(IAEA)の理事会は21日、IAEAへの協力不足を理由とするイランに対する非難決議を採択した。イランは反発し、ウラン濃縮に使うための新型の遠心分離機を相当数稼働させる対抗措置を発表した。 ロイター通信などによると、英国、フランス、ドイツなどが提出した決議案は19カ国の賛成で採択された。中国、ロシア、ブルキナファソが反対、12カ国が棄権した。決議案はIAEAに対して、イランの核開発計画に関連した未申告の核物質の存在などについて包括的に評価する報告書の作成を来年春までに求めているとされる。 この決議案の提出を阻もうとしたイランは、濃縮度60%のウランの貯蔵量を現状並みに自制する提案をしていた。決議の採択後、イランの外務省と原子力庁は22日、「欧州3カ国と米国の圧力のもとで、不当な決議案が採択された」とする共同声明を発表し、新型の遠心分離機の稼働を指示したことを明らかにした。(カイロ=其山史晃)
朝日新聞社