債券予想精度トップの2人、見通し別れる-米市場の不確実性浮き彫り
5%に上昇しても驚かず
しかし、バークレイズのプラダン氏に言わせれば、こうした賭けは時期尚早であり、今年の早い時期に利下げが行われるとの期待から債券利回りが低下していた昨年12月の二の舞だ。
利回りが一時4%に向けて低下した3月に10年債を売るよう、プラダン氏は顧客に勧めた。利回りが再び上昇に転じることを正確に予測していた。同氏らバークレイズのチームは先週の雇用統計発表の後、市場は「軟調なデータから過剰なシグナルを受け取っている」とし、10年債をショートするよう顧客に促した。
プラダン氏は雇用の伸びと個人消費の増加という「好循環のループ」が経済を活性化させているとして、利回りにはまだ上昇余地があるとの見方を示した。同氏は4月半ばに利回り予想を引き上げ、10年物は6月末までに4.7%(従来予想は4.3%)、年末までに4.6%(同4.35%)になると予想。今から年末までに10年債利回りが5%に上昇しても驚かないという。
「米経済は、コンセンサス予想よりもはるかに回復力がありそうだ。インフレについての進展は、多くの人が予想しているよりも遅くなるだろう」と同氏はインタビューで述べた。
年後半、利回り低下の公算大
サンタンデールのスタンレー氏も、今年の米経済が上振れし続けると予想していた。FRBが3月に利下げを開始するという賭けにトレーダーが殺到する中でも、11月までの据え置きを予測していた。「私はFRBについて、大半の人よりもタカ派的だった」と語った。
ただ、スタンレー氏がプラダン氏と異なるのは、市場が緩和観測を大きく後退させた今、リスクがより均衡しているとみていることだ。スタンレー氏はFRBが11月と12月に利下げするという予想を堅持しているが、最近のインフレ率上昇を受けてこの予想が「少し危うい」ことは認めている。
それでも、利上げ再開の可能性は低いため、FRBが政策転換に近づくにつれて、米国債利回りは今年後半に低下する可能性が高いと考えている。