【闘病】「まさか足を失うとは…」痛みの原因は希少がん”滑膜肉腫”で足を切断
普段とは違う、体の痛み。気のせいかなと思っていたら、実は重篤な疾患である可能性はゼロではありません。今回闘病体験の話を聞いたのは「左膝窩部の滑膜肉腫」という発症頻度の低い希少がんになった清松絵里さんです。清松さんは普段から健診を定期的に受けるなど体に気をつかっていましたが、最終的には足を切断するという決断をされたそうです。そこで今回は、病気が発覚するまでの経緯や手術を決断された清松さんの想いなどを聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年7月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
歩くのも困難なほどの痛みが、まさかの「滑膜肉腫」だった
編集部: 清松さんの病気が判明した経緯について教えてください。 清松さん: 2021年3月頃に突然左足が痛くなりました。片足立ちができないほどひどかったので、家の近くの内科に行きました。翌日に整形外科でレントゲンを撮ってもらったところ、「膝蓋骨(膝の皿)が傷んでいるから、運動して痩せた方がよい」と言われ、その日は湿布をもらい帰りました。ですが一カ月経っても治らなかったので、整形外科で鎮痛剤(カロナール)をもらい飲むものの、日に日に痛みは増すばかり。鍼灸整骨院で電気治療を受けながら痛みをごまかして生活していました。 編集部: なかなか痛みが治らなかったのですね。そこからどうしましたか? 清松さん: 同年7月になるといよいよ足の痛みで歩くのが困難になり、MRIが撮れる個人病院で検査をしてもらいました。その結果、膝の裏に大きな腫瘤が見つかったんです。そこで、専門医のいる大きな病院を紹介してもらい、レントゲンとエコー検査をした結果、左膝裏にピンポン玉ぐらいの腫瘤があることが分かりました。翌月は造影剤を用いたより詳しいMRI検査をしたところ、腫瘍内科の先生に診てもらうことになりました。その先生には、腫瘍の周りの水を抜いて検査してもらったものの原因は見つからず。そして翌月9月に生検で腫瘍に針を刺して調べたところ、「左膝窩部滑膜肉腫」と診断されました。 編集部: 見つかるまで相当苦労されたのですね。 清松さん: はい。最初に家の前の内科を受診したのは、感じている足のしびれやふらつきが脳・精神的なのか外科的な痛みなのか判断つかず、とりあえずの相談へ行ったんです。痛みがひどいと相談したところ、「大学病院のような大きな病院の脳神経内科は、紹介状を持って受診してもらうまで時間がかかる。早く原因を特定するためにも、まずは個人病院の整形外科で診てもらうのが良い」と言われたので、翌日整形外科で診察してもらったという流れです。 編集部: 確定診断を受けてから、どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? 清松さん: 医師からは「腫瘍が血管や筋肉も巻き込んでいるので、足を切断するしかない」と言われました。正常な組織でくるんでひとかたまりにして取る広範切除術で、左膝の上から切断することになりました。