石破首相の勝敗ライン「自公で過半数」の難しさ 党首討論で野田氏と「がっぷり四つの論戦」展開
そうした状況の中、石破首相は10日午前0時過ぎに政府専用機で飛び立った。就任後初の首脳外交のための外国訪問となるASEAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会議などに出席するためで、10日朝には開催国のラオスに到着した。石破首相は同首脳会議に合わせて、韓国や中国などとの首脳会談も行い、各国の首脳との関係構築を図りたい考えで、帰国は12日朝となる予定。 これに先立ち、石破首相は9日夜、首相官邸で記者団に対し「日本とASEANは信頼のパートナーであり、関係をさらに強化し、安全保障分野などでの協力をさらに進めたい」と石破外交への意欲と自信をアピールした。
ただ、石破首相にとって、衆院解散直後の外国出張となることに加え、帰国後の12日午後には日本記者クラブ主催の「党首討論会」が設定されているなど、「超過密スケジュール」(外務省幹部)を余儀なくされる。党首討論後の衆院本会議ではあくびをかみ殺す場面もあり、疲労の色は隠せなかった。 このため、官邸筋も「帰国直後から遊説日程が詰まっており、体力が続くかどうか」と不安を隠せず、石破首相にとって、自らが決断した「10・27衆院選」までの半月余りは「まさに死に物狂いで戦うしかない」(側近)こととなることは間違いなさそうだ。
泉 宏 :政治ジャーナリスト