神奈川のご当地ラーメン「サンマーメン」はなぜ愛されるのか?『サンマー麺の会』代表に歴史や秘密を聞いてみた #食楽web #サンマーメン
神奈川県のご当地ラーメンとして知られる「サンマーメン」の歴史とは? 意外と知らない話を、『かながわサンマー麺の会』代表に聞いてみた!
神奈川県をはじめ関東圏ではよく知られる「サンマーメン」。「秋刀魚(さんま)が乗ったラーメン?」と誤解を受けることが多いですが、実際は醤油ベースのラーメンの上に、シャキシャキの野菜と肉をあんかけにして乗せたもので、これからの寒い季節は特に美味しく感じる神奈川県のご当地ラーメンです。 【画像】サンマーメンの麺は王道の中太縮れ麺! しかし、この「サンマーメン」の存在・味は知っていても、どうして神奈川に根付いたのか、そしてその名前の由来など、よくよく考えてみると知らないことが多いです。そこで今回は新川崎にある名店『味の散歩 中華村』(以下、『中華村』)で絶品の「サンマーメン」をいただきつつ、同店オーナーであり、『かながわサンマー麺の会』の代表でもある久保田角男さんに、その秘密を教えていただきました。
『中華村』でも一番人気は「サンマーメン」だった
絶品の「サンマーメン」をいただくため、そして久保田さんに話を聞くために新川崎の『中華村』へ。店の外には「サンマーメン」のノボリが掲げられ、店内に入っても複数の中華メニューがありながらも「サンマーメン」の激推しが著しく「さすが『かながわサンマー麺の会』代表の店だ」と感激しました。 久保田さんに話を聞く前に、まずは「サンマーメン」で腹ごしらえ。オーダーから数分で着丼したそれは、まさに「サンマーメンの優等生」とでも言うべき理想的なビジュアルです。
もやし、白菜、ほうれん草、にんじんなどの野菜類と肉が、麺と合うように細くカットされています。野菜のシャキシャキとした食感、香ばしい味付け、そしてトロトロのあんかけのおかげで、体が芯から温まります。黄色い麺との相性も抜群で、やはり見た目だけでなく、その味わいも「サンマーメンの優等生」。最後のスープまでかなり美味しくいただくことができました。
「肉そば」の代替メニューとして誕生した「もやしそば」がルーツ
『中華村』の絶品「サンマーメン」でお腹を満たしたところで、同店のオーナーであり、『かながわサンマー麺の会』代表の久保田角男さんに、「サンマーメン」の歴史について話を聞きました。 「『中華村』はもともと新川崎の北加瀬という場所でうちの父がやっていた店がルーツです。1963年に開店しているので、創業60年になります。当時から、今の『サンマーメン』にやや近いメニューは出していて、それが『もやしそば』でした。もともと神奈川には中華料理店が多いのですが、先代やさらに古い日本人が、横浜で修行した職人が各エリアで開業して広まったというものです。『もやしそば』もこの流れで広まっていったんじゃないかと思っています。 諸説あるのですが、私が参加している組合の前理事長によると、かなり昔から『サンマーメン』というメニューが存在していたそうです。『肉絲麺(ルースーメン)』という『肉そば』が一番人気だったそうですけど、肉という食材を使うことからどうしても高くなってしまう。庶民はなかなか手が出ないメニューでもありました。 その代替的なメニューとして、中華職人さんたちが賄いで生み出したのが『もやしのあんかけ麺』で、さらに『もやしのあんかけ麺』と肉とを合体させたのが『サンマーメン』だと言われています。この誕生は1947~1948年頃と言われています」(『中華村』久保田さん)