タトゥーがあることで、近所で悪い噂を流されて…作者に聞いた“世間の偏見”<漫画>
電子書籍『ぼくのパパにはタトゥーがある』(KADOKAWA)は、主人公のリョウが若い頃に入れたタトゥーについて近所で悪い噂を立てられてしまい、子どもや妻に対する嫌がらせに発展していく様子が描かれています。 【マンガ】『ぼくのパパにはタトゥーがある』を読む 「家族を守る」という誓いを込めて入れたタトゥーでしたが、家族が苦しんでいる姿を見て、リョウはある決断を下します。本作品は、モデルとなる男性から聞いた話を元に、著者の丸田さんが創作したといいます。 本記事では丸田さんに、タトゥーに対する偏見や、近年の変化などについて聞きました ※本記事は全9回のうちの3本目です
嫌がらせの原因は、タトゥーとは別のところにある
――主人公のリョウは、近所の奥さんに悪い噂を広められてしまいますが、何がきっかけだったのでしょうか。 丸田:タトゥーがやり玉に挙げられましたが、それは印象操作がしやすかっただけで、本当の原因は別にあると思います。作中の奥さんの場合は、リツコと比べて自分の家庭がうまくいっていないと感じたときに、リョウがタトゥーを入れていることが、悪く言うのにすごく簡単なポイントだったんだと思います。 ――リョウの悪い噂が広まったことで、子どもがいじめに遭ってしまいますが、担任の先生の対応もタトゥーを入れている人に対する偏見があるようでした。 丸田:この先生が、タトゥーに対する偏見を持って嫌がらせをしている児童に注意をしないのは、おかしいと思いながら描いていました。この対応は、簡単に言うとマイノリティのほうを追いやるやり方だと思うので、リツコは本当に嫌な思いをしたと思います。世の中には、いじめ問題に真摯に対応している先生がいる一方で、何もしてくれない先生もいると聞くことがあるので、こういう先生もいるのかなと思います。 ――多様性を認めようという時代の流れがある一方で、タトゥーに対するネガティブなイメージがまだまだ強いのはなぜだと思いますか? 丸田:私が調べた限りでは、実は職業によってはタトゥーが禁止されているのは日本だけではなく、アメリカでも禁止されているところはあるみたいです。アメリカは寛容なイメージがありますが、就職には絶対に響かないということも無いようです。でも警察官はタトゥーを入れていたりするし、日本のように「タトゥーを入れていたら絶対にアウト」という考え方ではないところが大きな違いなのかなと思います。