三浦カズには「頭が上がらない」 フットサルW杯で共闘…町田復帰の45歳が抱く胸中
「誰がダメだった、誰が悪いとかじゃない」とリーグ初優勝へ経験伝授
昨季の町田は最終節で名古屋オーシャンズとの直接対決に敗れ、長く走っていた首位から転落して悲願のリーグ初優勝を逃した。キャリアの最盛期で森岡は最前線のピヴォでプレーしてゴールを量産してきたが、現在の町田にはスペイン1部ベティスから復帰したFP毛利元亮をはじめ、FP野村啓介、FP三宅悠斗、負傷離脱中のFP本田眞琉虎洲と多くのピヴォの選手がいる。そのため、森岡はフィクソとして最後尾でプレーする。 「最近はずっとうしろで声を出したり、カバーをしたり、ピヴォにボールを入れたりしている。それが今の町田での役割かな。みんな若いし、ひたむきに頑張る選手たち。やっていることを信じている。戦う時には頼もしいけれど、強度やインテンシティーだけでは戦えない。駆け引きとか間の作り方、打ち合いに付き合わないとか、そういう経験の部分、相手が嫌がることをする部分は足りないと思う。自分のやりたい戦い方があっても相手がいるから、その相手にダメージを与える戦い方をしないといけない。勝ち点を重ねるためにはそれが大事だと思う」 この試合では初めてピッチに立ったサードセットが、立て続けに3失点を喫した。「以前の自分だったら『何してんだ!』となっていた」と笑う森岡だが、その姿勢ではいけないと強調する。「誰がダメだった、誰が悪いとかじゃないと思うから。チームとして取り返せなかった。決めなければいけないチャンスはたくさんあったし、パワープレーだけでも逆転できたはず。たまたま失点した時にピッチにいた選手が誰だったかとかはあるかもしれないけど、そこじゃなくてチームとして、こういう時に盛り返せるか。それが理解できるチームじゃないと、優勝できないと思う」と、全員が今季初の敗戦を自分事として受け止める必要があると語った。 チームに経験を伝えている森岡だが、現時点では今シーズン限りで現役を退く予定となっている。「年齢的なこともあるからね」という森岡に、2012年のフットサルW杯でともに戦った元日本代表FW三浦知良が現役を続行していることを伝えると、「あの人には頭が上がらないよ。でも、本当に1試合1試合出し切って、『このチームと対戦するのは今日が最後』というつもりで全試合やっていく」と、全力疾走を誓った。 Fリーグが始まって以降、日本フットサル界最大のスターだった森岡薫。そのラストダンスとなるシーズンで、町田が悲願のリーグ初優勝を成し遂げられるか、大いに注目される。
Futsal X・河合拓 / Taku Kawai