誰もいない休園日の動物園 演奏中も出入り自由のクラシックコンサート “感覚過敏”を優しく包む「センサリーフレンドリー」の取り組み
体を揺らしたり、歩き回ることがある一方で、時折音楽に聴き入る子どもたち。受け方によっては『外の世界の様々な刺激や体験は良い影響になる』という期待も込められています。 (感覚過敏の子を持つ親) 「親は聴きたい曲をゆっくり聴けて、この子も自由に聴けるので『じっとしてなさい』って怒らなくていいのでとても良かった」 一般的な演奏会と違い、明るい会場や出入り自由な環境は、感覚過敏の子とその親に好評でした。 ■「晴れた日にも来れるようになった」動物園の休園日入園許可制度 愛知県豊橋市の「のんほいパーク」でもセンサリーフレンドリーの取り組みが行われています。休園日には、雑踏の喧噪も、案内の放送も音楽もなく、静まりかえった園内。時折聞こえてくるのは、動物たちの息づかいだけです。 そこに、やってきた1組の親子。豊橋市に住む花島愛弥さんと母親の恵里さんです。愛弥さんは知的障害を伴う自閉症で、聴覚過敏のため外出の際にはいつもイヤーマフで耳をふさいでいます。 (母・恵里さん) 「小さな子どもの泣き声が苦手で、泣き声が聞こえるとパニックに以前はなっていたが、大人になるうちに予想ができるようになって。ベビーカーを見ただけや、まだ泣いていない子どもを見ただけで落ち着かなくなる」 動物は好きですが、動物園のにぎやかさが苦手で、今までは雨降りなど、人がほとんどいない日を選んで来園していました。しかし、「のんほいパーク」が始めたセンサリーフレンドリーの取り組みのおかげで、晴れた日にも来られるようになったといいます。 (のんほいパーク・後藤一紀さん) 「週に1度の休園日だったら静かな環境で動物園を楽しんでいただけると思い、この休園日の特別入園の取り組みを始めた」 「のんほいパーク」の“休園日入園許可制度”は、2020年から登録した感覚過敏の人向けに、休園日の毎週月曜日を解放しています。 ■「何よりのぜいたく」感覚過敏の親子が気兼ねなく楽しめる時間 母親の恵里さんは感覚過敏への理解が進まない中、外出をためらうことも多かったと話します。
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