日本人の5人に1人は不眠症。寝つきが悪くなる意外な原因と8つの解消法
30、40代を過ぎて、急に寝付きが悪くなったと感じている人も多いはず。実は、日本人の5人に1人は「不眠症」に悩んでいるといわれているらしい。 ▶︎すべての写真を見る 慢性的な寝不足はパフォーマンス低下の原因のひとつ。眠りを改善すれば、きっと今よりも良いパフォーマンスを発揮できるに違いない。
今回は、家庭医としてさまざまな症例に知見のある「にしあざい診療所」の上田祐樹先生に、不眠症の原因やよく眠るための方法を教えていただいた。
男性更年期障害の調査項目には、不眠症の項目が存在する!
――30、40代男性の寝つきが悪くなる原因について教えてください。 一般的に、心理的ストレスや病気(高血圧や心臓病、うつ病、更年期障害)、薬剤や刺激物(カフェイン、たばこ)、生活リズムの乱れ、環境などが寝つきが悪くなる原因として挙げられます。 なお「不眠症」とは特定の病気を表す言葉ではなく、さまざまな原因から寝つきが悪くなってしまうことを指します。 ――病気や刺激だけでなく、更年期障害も不眠症の原因となることがあるのですか? 実は、男性更年期障害の症状評価方法であるAMS調査票においても、「睡眠のなやみ」の項目が設けられています。 更年期障害は30、40代以降に抑うつや不安、集中力の低下、性欲低下などの症状が出るのが特徴です。さらに、自律神経の乱れにより睡眠にも影響が出ることがわかっています。 ――不眠症を訴える人はどれくらいいるんですか? 国の調査によると、睡眠による休養が十分に取れていない人の割合は、全人口の約2割以上といわれています。日本人の睡眠時間は世界的に見ても特に短く、約4割の方が6時間以下の睡眠時間しか確保できていないようです。 また、不眠に関する他の研究でも、16~21%の方が十分な睡眠時間を確保できていないと報告されています。 ――近年、不眠症を訴える人は増えていますか? 国の調査では、睡眠による休養が十分に取れていない人の割合は年々増えているようです。なお、不眠症全体で見た場合は、女性のほうが不眠症で悩む方が多いようです。 また、不眠症は年齢を重ねるごとに増加する傾向が認められています。仕事や家庭が忙しくても、なるべく眠る習慣は付けた方が良いでしょう。