浜辺美波インタビュー 日本がピンチだよ、偉人集合! 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』
仲のいい坂本龍馬と女子会
ーー共演シーンが多かった坂本龍馬役の赤楚衛二さんとは、撮影現場でどんな雰囲気だったのですか? 実は赤楚さんとは2作続けてご一緒させていただいたんです。『六人の嘘つきな大学生』(2024年11月22日公開予定) という作品の撮影が終わって1~2週間で、この作品にインしました。赤楚さんは、年齢的にも少し上で先輩なのですが、ほぼ同年代のような感覚でしゃべらせてもらっています。ふたりで「先輩方のクランクアップ立ち会いたいね」と言って、一緒に待ちながら女子会をしていました。 ーー龍馬と女子会っていいですね。 女子会と言っても、お菓子を食べてコーヒーを飲んで、作品や監督について話しながら時間をつぶすだけなんですけど(笑)。ある日は待ち時間が3時間もあって、しかもロケ場所の周りに、時間をつぶせる場所がなかったので、お茶場にあるお菓子が唯一の救いでした。 それで「赤楚君、あーそぼー」と言って、楽屋の扉をトントンすると「遊ぼうぜ!」って出てきてくれるんです。それで、ずっと先輩方の話をしたりしていました。 ーー待ち時間にお話し相手がいると助かりますよね。 赤楚さんがいなかったら、孤独というかちょっと寂しかったと思います。偉人役の先輩方が前室で話しているときに、自分が入っていいのかわからなかったんです。そんな私を見て、偉人チームと撮影シーンが多い赤楚さんがつないでくださって、みなさんの話の輪に入れていただきました。すごく助けられました。
歴史について学び深みを増した演技
ーー浜辺さんは歴史はお好きなんですか? 学生のころは社会科が一番好きでした。が、教科書以外のことまで自分で調べるほどではなかったので、今回、深く個人として偉人のことを調べる機会をいただけて楽しかったです。 ーー劇中では浜辺さん演じる理沙が、、坂本龍馬について学んでいます。浜辺さんも役柄と同様に、本を読んで勉強されたんですか? そうですね。監督から「役柄同様、詳しくなっていくように歴史について学んでほしい」と言われて、勉強しました。(脚)本読みの段階では言われていなかったので、撮影途中から必死になって急いで本を読み始めました。「一個一個知ることができて、芝居にもっと重みが出るはずだから」と言われて、それまであまり意識していなかったので、助かりました。 ーー勉強されたのは、今作に登場する偉人たち全般的に? 私がお話しするのは基本的に坂本龍馬さんと徳川家康さんだったので、龍馬さんもですが、「中心は徳川家康について学んでほしい」と監督に言われました。龍馬さんは、劇中でも使用している資料のなかにある"漫画で解説!"といったわかりやすい本を読ませてもらっていました。用意されている資料に家康さんの本がなかったので、それらは購入して読みました。 ーー監督に薦められたものではなく、浜辺さんご自身で選んで資料を購入されたんですか? そうですね。家康さんについては賛否両論ある書籍が多くて、どの本にしようか迷いました。それで新書を選んで買ったらすごく難しかったです(笑)。なんとなく、穏やかな性格だったから江戸幕府を築けたんだと思っていたのですが、実はいろんな領主たち、妹や身内をたくさん殺されている中で、復讐に走るのではなく、ずっと堪えて天下を統一したということを知って。器の大きさ、将来に対する視野がすごく広い人だからこそ成し得たんだなと思いました。本を読むと本当に面白くて、家康さんの人間らしさを感じるというか、教科書に載っていないところを見ることが出来た気がしました。 ーー実際、役柄と同じように、浜辺さんも物語が進むにつれて偉人たちへの理解を深めていったんですね。 今まで見えていた家康さんよりももっと深く知ることで、この作品に対して、この役を演じる中でも納得することが増えていきましたし、後半のセリフに対しても理解が深まりました。あと、監督が歴史がすごくお好きで、話してくださる内容がすごく面白くて、授業を受けている感覚になりました。私も学生時代は勉強をするのがすごく好きだったので、その時のことを思い出しました。