DeNA戦力外の大田泰示が現役引退会見 「現役を続ける気持ちもあったが人生は長い」
DeNAから戦力外通告を受けた大田泰示外野手(34)が18日、横浜市内のDeNA球団事務所で現役引退会見をおこなった。 【写真】引退会見で大田が報道陣へ用意したお菓子(撮影・会津 智海) スーツ姿で会見上に入ると冒頭に「16年間のプロ生活を引退する決断をしましたので、ご報告させて頂きます」と一礼。その後は現役生活中に関わった多くの関係者への御礼を繰り返し、「現役を続ける気持ちもありましたが、オファーがなかったので次のステージに向かう気持ちを持っています。人生は長いので」と続けた。今後も、野球界に携わる業務についていく。 東海大相模では高校通算65本塁打を放ち、08年ドラフト1位で巨人に鳴り物入りで入団。1メートル88、96キロの大型野手は「ポスト松井」と期待され、松井秀喜のメジャー移籍後は6年間にわたって空き番だった「背番号55」を継承した。 プレッシャーは大きく、巨人に在籍した8年間でレギュラーをつかむことはなかった。素質が開花したのは、公文克彦とともに吉川光夫、石川慎吾との2対2の交換トレードで日本ハムに移籍してから。17年から4年連続2桁本塁打。特に19年には自己最多132試合に出場し、同最多20本塁打を記録した。 21年オフには「ノンテンダーFA(球団が来季の契約を提示せず市場に放出すること)」で日本ハムを退団し、DeNAに移籍した。3球団目の新天地での生活を「最後にベイスターズに来て、本拠地で毎日朝から練習してゲームが始まって 活躍すれば大きな声援をいただいて、それは高校の時に感じたような興奮だったり、楽しさだったり…。そういうのをもう1度味わえることができたのは、凄く自分で印象的だった」と振り返った。 今季は度会、梶原、蝦名ら若手外野手の台頭で「世代交代」の波にのまれ、16年目で初めて1軍出場なし。10月5日のファーム日本選手権に「4番・左翼」で先発して2安打し、球団初のファーム日本一に貢献したのが最後の出場だった。 ◇大田 泰示(おおた・たいし) 1990年(平2)6月9日生まれ、広島県福山市出身の34歳。東海大相模から08年ドラフト1位で巨人に入団。14年9月27日のDeNA戦ではチーム81代目の4番を務める。交換トレードで17年から日本ハムに移籍し、自由契約を経て22年からはDeNAに加入。今季は1軍出場がなく、10月1日に戦力外通告を受けた。現役通算907試合、打率・259、84本塁打、343打点。1メートル88、96キロ。右投げ右打ち。