世界遺産・薬師寺で発掘調査 薬師寺回廊の北西隅の遺構出土 全貌がほぼ明らかに 回廊は東西非対称か
奈良市の薬師寺と奈良文化財研究所は、11月7日、復元に伴う発掘調査を行っていた薬師寺の回廊北西隅の現場を報道陣に公開しました。 薬師寺は奈良時代680年に建てられ、716年ごろに現在の場所に移ったとされています。これまでにも、何度か発掘調査が行われていて、一部はすでに復元されていました。今回の発掘調査は今年9月から行われていて、これまでの調査で分かっていない回廊・鐘楼の正確な規模と構造を把握して、より正確な復元に繋げることが狙いです。 薬師寺及び奈良文化財研究所によりますと、今回の調査で創建時の遺構が良好な状態で見つかったということです。回廊の北西の角にあたる部分の礎石(柱を支える石)があったとみられる穴などが確認されたため、創建当時の回廊の正確な規模が明らかになりました。 またこれにより回廊は東西非対称であったこともわかり、東西が非対称と書かれていた「薬師寺縁起(11世紀)」の記述が裏付けられました。創建時のより正確な姿が浮かび上がってきた発掘調査は現在も続けられていて、今後さらなる解明が期待されます。