Amazon史上最大の投資、Anthropicへ40億ドルの投資完了 AnthropicにかけるAmazonとBedrockの強化
加熱する投資合戦にFTCの調査も
マグニフィセント・セブン(米国テクノロジー企業7社)によるAIや機械学習への投資は、2022年の44億ドルから23年には246億ドルへと飛躍、一方で巨大テック企業群によるM&Aは40件から13件に激減している。 スタートアップへの投資競争が激化する中で、今年1月に連邦取引委員会(FTC)は、生成AIとのパートナーシップに関して巨大テック企業の調査に乗り出す事態にまで発展している。消費者を保護し、競争市場を維持するためとする調査はAlphabet、Amazon、Anthropic、MicrosoftとOpenAIの5社を対象に行われる予定だ。 ただし、AmazonとAnthropicの提携は独占や限定とは言い切れないため、問題はないと見る向きが多い。というのもAWSを通じなくてもユーザーはClaude 3に直接アクセスできるからだ。 またAmazonでは、社内のAI部門で大規模言語モデル「Olympus」を専門チームが開発中との噂がある。Olympusは2兆個のパラメータを有し、最大の大規模言語モデルになる可能性も。OpenAIのGPT-4モデルのパラメータは1兆個とされており、倍の規模になると見られているからだ。 また、同Olympusは今年半ばにはClaudeの最新モデルを超える性能で発表されるという噂もあり、業界が注目している。ただし、これまでのAmazonの自社LLMは成功とは程遠いのが現実。 AmazonではショッピングのチャットボットやビジネスのチャットボットQに生成AIを使用している。ただ社内のLLM学習を担当せず、利用だけする部署ではClaudeの利用が明らかに有利、との声も上がり開発チームのストレスがうかがえる。 それでも、AmazonのCEO、Andy Jassy氏の肝いりプロジェクトとの見方が根強く、発表の日が待たれている。開発が完了すれば、Amazonのほぼすべての領域に組み込まれると予想され、AWSを通じて他の企業にも提供される。