イスラエルとヒズボラの停戦が発効、自宅に戻るレバノンの避難民も
イスラエルとイラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラの戦闘を巡り、イスラエルとレバノンの停戦合意が、現地時間11月27日午前4時(日本時間同11時)に発効した。停戦合意は米仏が仲介した。27日午前の段階で停戦はおおむね守られている。停戦の朝、首都ベイルートには人々が戻り、ヒズボラの旗を振る人もいた。数カ月ぶりに帰宅する南部住民の姿もあるが、イスラエル軍は国境付近の住民に対し、同国軍が撤退するまで戻らないよう警告した。 家財道具を積み上げた避難民の車が、激しい爆撃を受けた南部の港湾都市ティールを抜けて帰還を目指した。 しかし、イスラエル軍のアラビア語報道官は、イスラエル軍が依然としてこの地域に駐留していると指摘し、現地時間午後5時(1500GMT)から午前7時(0500GMT)までリタニ川の南側に移動しないよう警告した。 リタニ川はイスラエル国境の北約30キロを流れている。 停戦監視の任に当たるレバノンの正規軍もリタニ川以南に追加部隊の展開を開始したと発表。ただ、国境付近の住民にはイスラエル軍が撤退するまで帰宅を見合わせるよう求めた。イスラエルも住民に対し、国境地帯にはまだ戻らないよう警告している。停戦発効後、レバノンの首都ベイルート全土では銃声が響いた。祝砲の可能性がある。 避難民が帰るとみられる村の多くは破壊されているが、避難先で借家住まいを強いられていた一部の避難民は、自宅に戻れば家賃を節約できるとロイターに語った。ただ、イスラエル軍が完全に撤退しておらず、不安が残るとして、レバノン軍の許可が下りるまで帰宅を見合わせると話す避難民もいた。 ヒズボラは停戦について正式にコメントしていないが、幹部でレバノン議会の議員でもあるハッサン・ファドララ氏はレバノンのアルジャディードTVに対し、レバノン国家の権限拡張を支持する一方、ヒズボラはこの戦争からより強く立ち上がるだろうと語った。 イランは停戦を歓迎すると表明した。 イスラエルのネタニヤフ首相は先に、停戦合意を履行する用意があるとテレビ演説で言明。その上で、米国との全面的な連携を強調し、「われわれは完全な軍事行動の自由を保持する。ヒズボラが合意に違反したり再武装を試みたりすれば、断固たる攻撃を仕掛ける」とした。